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Fahr-Info Berlin をめぐる Tohuwabohu

2008年11月7日 金曜日

Fahr-Info Berlin は、以前にも触れたことがあるが、ベルリンの乗り換え案内ソフト。ベルリンの21歳の大学生の、非常に洗練された作品だ。無料。GPS を利用して近くの駅・停留所を表示する機能もあるし、路線図も表示する。これまでに2万回ダウンロードされている。そのソフトに、大幅な機能制限が加えられてしまった。

バージョン1.1.1 の説明には、
Aufgrund einer Beschwerde der BVG mussten sowhol der Übersichtsnetzplan als auch die Detailpläne entfernt werden. Sorry dafür!

とある。ベルリン交通局からのクレームにより、データが使えなくなったということだ。どうやら、残りのベルリン・ブランデンブルク交通のデータしか使えなくなっているらしい。(らしい、と言うのは、ぼくはこの新バージョンにダウングレードしていないからだ。)

iPhone daily の記事 Keine Fahrpläne für Berliner によれば、ベルリン交通局は、Fahr-Info Berlin による運行情報の取得を拒否した。ベルリン交通局の情報は、私的な・非商用目的にのみ許可される。Fahr-Info Berlin は無償で提供されていて商用ではないが、それが App Store で提供されていることは、「私的」ではないという判断になるらしい。

ということは、App Store でしか正式にアプリを提供できない現在の iPhone のシステムが問題なのであって、Jailbreak した iPhone 用に、Cydia 経由かなにかで Fahr-Info が提供されれば問題ないということにもなってしまいそうだ。

さらに元ネタの taz の記事 BVG verbietet iPhone-Programm. BVG が iPhone アプリを禁止。「利用客たちは怒っている」”Kunden sind sauer” という副題が添えられている。開発者のヴィット氏にとっては、BVGがいちゃもんを付けてくることなど思いもよらなかった。このニュースに対するネット上の反応も、「BVG、どうかしてんじゃねーのか?」とか、「やっぱりドイツは俗物と役人に支配された国だってことだ」とかいったもの。

BVG 当局のスポークスパーソン、ペトラ・レーツは、ヴィット氏もAppleも、Fahr-Info Berlin で1セントも稼いでいないのだが、という指摘に対して、iPhone に限らずあらゆるケータイで使えるようなアプリを自前で提供する予定なのだという。

よろしい。それが本当なら、そして無償なら。しかし iPhone 用のプログラミングは、頼むから別にしてほしい。「あらゆるケータイ」向けに開発したアプリをちょこっと iPhone 向けにアレンジしただけの代物がどういうことになるかは、NaviTime の醜態がすでにじゅうぶん証明している。一番いいのは、iPhone 用には BVG が Fahr-Info Berlin を買取るなり、Witt 氏に委嘱するかたちをとるなりして、提供することだろう。(そのような例は、Lightsaber Unleashed でもすでに見られたはずだ。スターウォーズのライトセーバーを模したこのソフトは、いったん App Store から姿を消し、ルーカスフィルム社の正式なお墨付きをもって再登場している。)

いや、やっぱり、「あらゆるケータイ」向けのソフトを出すつもりなら、Fahr-Info Berlin とは無関係にそれはそれでとっとと出せばいいので、Fahr-Info Belrin を禁止する理由など、ない。今回の BVG の判断が、「顧客のため」には少しもなっていないことは明らかだ。

2008.11.13. 追記:taz の記事、VBB statt BVG: iPhone-Fahrplan für Nahverkehr doch erlaubt によれば、Fahr-Info でのデータ利用を禁じた BVG は、利用客に、自前で提供しているケータイ用時刻表検索サイトを使えと言っているらしい。いかにもケータイ用で、iPhone + Fahr-Info が供する使用感にははるかにおよぶべくもない。BVG は愚かだというしかなさそうだ。

そこにきて、BVG ではなく、VBB(ベルリン・ブランデンブルク交通連合)が、Fahr-Info Berlin の全面的な支持姿勢を打ち出したようだ。これにより、ヴィットくんは一二週間内に新バージョンを出すという。

VBB と BVG の関係をきちんと調べていないのだが(ご存知の方はご教示ください)、どうやら BVG は VBB に所属するメンバー、という関係のようだ。taz の記事には、BVG は呆然としているに違いない、自分は iPhone を持っていないが、小気味がいい、といったコメントが付けられている。

VBB も自前の Windows Mobile 用の時刻表サービスを提供していたが、利用者が少なく、打ち切りを考えていた。ところが Fahr-Info Berlin が出た7月、アクセス数が百倍にも急増した。Fahr-Info はこの Windows Mobile 用サイトからデータを読み取っていたからだ。そのためサービス打ち切りは取りやめになった。ヴィットくんと VBB の話し合いでは、VBB 側がヴィットくんに、時刻表データベースへの直接のアクセスを許可したという。また、BVG が使用を禁じたのと同じ(ロゴが BVG から VBB に変わるだけ)路線図も、利用を許可した。BVG ザマミロで、かつひとまずめでたい。

PDF を iPhone に送るワークフロー (FileMagnet)

2008年10月30日 木曜日

filemagnet.pngMac OS X Hints の記事、Print to iPod touch/iPhone via FileMagnet and Automatorは、Web ページでもなんでも PDF 化して、FileMagnet (¥600) 経由で iPhone/iPod touch に送り込む作業を半自動化する、簡単な Automator ワークフローを掲載している。Automator は Mac OS X 標準の作業自動化ソフト。以下はそのワークフローの紹介。

通常、Mac 上のファイルや Web ページなどを PDF 化して FileMagnet で iPhone に送る場合、次のような手順になる。

  • 1. Safari などの「プリント…」メニューを選択して、プリントダイアログ左下の「PDF」ボタンを押し、「PDF として保存…」を選ぶ。
  • 2. 保存先を指定して「保存」ボタンを押す。
  • 3. Finder で保存先に行って、保存されている PDF を FileMagnet にドラッグ&ドロップする。
  • 4. FileMagnet に iPhone とシンクさせる。
  • 5. Mac 上の PDF ファイルを消去する。

これを半自動化する Automator ワークフローは次のように作成する。

filemagnet_automator.png

  • Automator を起動して「カスタム」の新規ワークフローを作成。
  • アクション→ライブラリから「ファイルとフォルダ」を選択。
  • 「Finder 項目を開く」を選択し、右側のワークフローフィールドにドラッグ。
  • 「このアプリケーションを開く」を FileMagnet に設定。
  • このワークフローを、/ライブラリ/PDF Services フォルダに、「PDF を iPhone に (FileMagnet)」とでも名付けて保存。

こうして Automator ワークフローを作成しておくと、上の手順は、

  • 1. Safari などの「プリント…」メニューを選択して、プリントダイアログ左下の「PDF」ボタンを押し、「PDF を iPhone に (FileMagnet)」(先ほど作成したワークフローの名前)を選ぶ。
  • 2. FileMagnet に iPhone とシンクさせる。

という2ステップになる。Mac 上に作成された PDF を消去する必要はない。これは一時ファイルとして /private/tmp フォルダに作成され、システムによって定期的に自動で消去されるからだ。もしこのオリジナルの PDF ファイルを Mac 上で見たければ、FileMagnet のリストのファイル名右側の虫眼鏡アイコンをクリックすれば、ファイルの所在が確認できる。

PDF 化してしまうことで、複雑な doc, ppt, xls ファイルを直接 iPhone に送った場合の表示トラブルも防げる。

記事へのコメントで、FileMagnet ではなく Air Sharing + Automator を使う方法、Mail を使う方法も紹介されている。Air Sharing の場合は iPhone の IP アドレスを固定にしておくか、Bonjour を使う必要があるだろう。PDF に「プリント」してメールで送信するスクリプトは、標準で用意されているから、何も新たな準備がいらないところはメリットだが、わざわざメールサーバーを介することになる点、普段遣いのアドレス宛では、Mac にも同じメールが届いてやや不経済な点などの欠点がある。状況に応じて使い分ければよさそうだ。

追記:「プリント」でPDF化して iPhone / iPod touch に送るだけなら、ACTPrinter ¥115 でさらに簡単にできるようになってしまった。iPhone・iPod touch ラボの記事が詳しい。

SmartTime

2008年10月13日 月曜日

smarttime.pngiCal のようなカレンダーと To Do を併せ持つソフトで予定を管理する場合、GTD 的には、というか Lifehack 的には、To Do をなんとなく入力していくのではなく、あるいは暫定的に To Do に放り込んだ後、カレンダー内の一定の日時に入れてしまうのが得策ではある。

最初からこれをスムーズに行なうことを目標に設計されているのが SmartTime という iPhone 用ソフト。
SmartTime ウェブサイト
SmarTime App Store リンク
デザイン(見た目という意味でも、使用感という意味でも)もなかなかいい。今のところスタンドアローンでしか機能しないが、iCal などと連係できるようになれば、とてもよいものになりそうだ。

ベータ版である現在は無料で、この無料版をダウンロードして使った人には、有料化の際に割引があるという。

iPhone で使う買い物メモ

2008年10月6日 月曜日

ToDo ソフトというか、いわゆる GTD (Getting Things Done) ソフトとしては、すっかり Things がしっくり馴染んでいる(日本語化に際して無意味に半角カナが使われているのは気に入らないが)。Mac 版は iCal の To Do と自動的に同期することができ、その Mac 版を立ち上げておけば、iPhone 版の Things を起動するだけで、Mac ⇔ iPhone 間のシンクも自動で行われる。 iCal の To Do 項目の iPhone への同期は、今のところ Apple が空白のまま放置している部分だが、この点も、Things のおかげでさしあたり事足りている。(Windows な人には、Outlook とタスクを同期できる iDo がいいかもしれない。)

ちょっと別に扱いたいなと思っていたのが買い物メモ。Things で統合的に扱ってもいいのだが、やや牛刀をもっての感が無きにしもあらずだし、ウチで使う買い物リストに関しては、後で書くようにもう一つ別の要求がある。で、ショッピングリストに特化したアプリを App Store で漁ってみた。カテゴリーが「仕事効率化」「ユーティリティ」「ライフスタイル」などバラバラなのがちょっと気になるが、’shopping’ とか ‘groceries’ などで検索すると、とにかくすでに無数に出ていることが分かる。単独で使うなら、無償の ToDo ソフトもたくさんあって、それでもいいのだが、

が、ちょっといい感じで、しばらく使ってみていた。リストが階層化されずシンプルで、さっと使えるところもいいし、背景のメモ用紙の視覚的な触感というか、それもいい。

こうしたアプリはすべて横文字圏の産で、元々のリストアイテム候補(データベース)はすべて英語だが、当然日本語入力もできて、一度入力した項目は、簡単に再び呼び出すことができる。このあたりは以下のほとんどすべてのアプリに共通する。他のショッピングリスト・アプリでは、

あたりがちょっとユニーク。Speed Shop は以前使ったリストの使い回しがしやすいよう考えられている。Shoppi はアイコンを使ったリストが特徴。Foodle は GPS を利用した location-aware な作り、シェイクで再ソートする機能などを持つ。GroceryZen はレシピと連動する特長がある。Shopping List は地図と連動。現在いる店で以前に何を買ったかが分かり、その店でよく買うものを上位に表示、リストにアイテムを入れると、その品をこの前買ったのはいつかも表示される。

だがしかし、今回考えたのは、家族間のリストの共有。家人とぼくと一緒に iPhone を購入したので、両者の間で買い物リストが共有できるのがいい。上記Shopping List (Andrea Vettori) のほか、

などは、メールでリストを送ることができるようだ。しかし折角二人とも iPhone を使っているのに、メールを送るだけではちょっと面白くない。両方の買い物リスト自体が何らかの形で同期できるほうがいい。そうなると、候補としてはこのへん。

どちらも、専用の Web サイト経由でリストの管理や共有ができる。iNeedStuff のほうは、値段だけのことはあって、それに加えて、iPhone 同士直接のシンクをうたっており、また Shopping List や Foodle のようにロケーション・アウェアでもある。

で、思い切って iNeedStuff のやつを使うことにしようかなともさんざん考えたのだが、二人分購入すれば ¥2000 である。(おまけに ¥1000 というのは、「期間限定の10%引き」のお買い得値段だそうで、本来はさらに少し高くするつもりらしい。)

結局ぼくらが選んだのは、Zenbe List。特に買い物リストに特化したものではなく、あらゆるリストが作れるソフトだが、ネット経由でリストの共有ができる。リストはいくらでも作れて、その中の特定のものをシェアできるようになっている。Web サイトでもリストの管理ができる(ただし Safari ではうまく動作しない。Firefox ならば問題ない)。しかも無料。しばらくはこれでいってみようと思う。

iPhone / iPod touch 用 Duden: Deutsches Universalwörterbuch と App Store での価格設定について

2008年10月3日 金曜日

iPhone / iPod touch 用の App Store に、ついに独独辞典が登場した。Duden – Deutsches Universalwörterbuch
icon。見出し語15万。これは大きい。まあ、以前から Office Bibliothek という名前で、Mac や PC で使えるデジタル版が出ていた。同じ形ですでにデジタル化されている Duden の Das große Wörterbuch der deutschen Sprache なんかも続けて iPhone 用にしてくれると嬉しいのだが。「電子辞書」ガジェットの小汚い表示、使いにくいユーザーインターフェースではなく、iPhone で見ることができるというのはやはり大きい。

ところで、問題は価格だ。App Store に出た当初は¥2900だった。それがいつの間にか¥4400になっている。どうも App Store のソフトの価格は上げたり下げたりが甚だしすぎる。

そう思っていたら、独Mac Life 誌(そう、そういう名前の雑誌がドイツには今でもあるのだ。かつて日本にもあったけれど)の記事によれば、最初́ 20 Euro で出てしまったのは App Store のミスで、今の 29.99 Euro が本来の値段なのだ、と、開発元の Paragon GmbH は言っているという。Paragon 自体のサイトでは、この説明はぼくは見つけられなかった。してみると、出てすぐに買ったぼくはラッキーだったということになりそうだが、なんだかなあ。

「駅探」もこの上なく下手なやり方で有料化して叩かれまくっている。

逆に、値段を下げてくるアプリも少なくない。レース・ゲームの Cro-Mag Rally がそうだ。当初は ¥1200 だったのをなんと ¥230 に値下げした。1000円近く、8割以上の値下げ。ぼくはどちらの値段でも買っていないので、うーむと思うだけだが、出始めに購入した人にとっては面白くないはずだ。でもどちらかというと、値下げはさほど叩かれない。当たり前か。差額で言えば有料化された「駅探」は350円だが、無料だったことからすると無限大倍(?)だからなあ。(iPhone の計算機で、0で割る割り算をやると、デカいカタカナで「エラー」と表示される。なんだか間抜けで楽しい。)

最初から、1週間だけとか、2000ダウンロードだけとか、期限を区切って無料にしてくるアプリも多い。もちろんそれならいいのだ。AirSharing も、Simplify も、Best!価格も、ぼくは速攻で入手した。

一つには、今まで Mac でも PC でも「オンラインウェア」では普通だったやり方、無償でダウンロードして試用できて、気に入って使い続けるには有償のユーザ登録をする、というやり方が App Store では不可能だということも問題なのだろう。この問題に対処する一つのやり方が期間限定無償であり、もう一つのやり方が、機能を削った無償版をリリースすることだという状態に、いまはなっているらしい。「駅探」はそのどちらでもなく、無償だとばかり思って最初から使ってきて、NaviTIMEの出来の悪さに引き比べて iPhone アプリのお手本だと絶賛してきたようなユーザが、突然有償化を告げられるという、そういうやり方をとってしまったのだった。政策のミスとしか言いようがない。それでも有料アプリのトップセラーになっているし、そのうち無償だったことは忘れられるさ、ということなのかもしれない。無償だったことを知らないユーザならば、350円はそんなに痛くはないだろう。でもぼくを含めて初期ユーザの大部分は、あ、ここは信用ならねえな、という印象を忘れることはないと思う。

# 追記:頃合いを見計らったかのように、「Yahoo!路線情報」が無料アプリとして登場した。これでいいや。

いずれにしても、App Store で購入ボタンをクリックすることが(あるいは iPhone 上でタップすることが)、まるで投機家になったような気がするのは、どうもあまりいいことではない気がする。

追記:期間限定で Aqua Forest, Neoさめがめ, Catch the Egg を無料にしたハドソンは、App Store でのアイコンに “Free Trial” という帯を入れている。この言葉だけでは期間限定無償提供なのか、デモ版なのか分からないが、いずれ有償になることを明確化する一つの工夫だと言えるだろう。また、こんなApp Store 価格更新情報サイトがもう存在するのだった。

便利だなあ。いや、喜んでいてはいけないよな、やっぱり。純正の App Store が見づらいということだし、アプリの価格がころころ変わるのもやっぱり問題だ。

iPhone で VoIP: Truphone

2008年9月30日 火曜日

truphone.pngMac や PC で使える VoIP ソフトとしては、Skype や Gizmo はすでにかなり知られている。先年、スロヴェニアにいたときに、Mac からそれらを使って日本に電話していたりした話は、以前に書いた。

WiFi の使える iPhone なら、VoIP での通話というのが出てくるのが理の当然。実際、iPhone 用の Skype アプリというのはすでに存在するのだが、日本の App Store ではなぜか入手できない。Softbank にとって、問題があるのだろうか。

と思ったら、全然別の、Truphone というのが、App Store (カテゴリー:旅行)で入手可能になっているのだった。Web サイトはこちら。アプリ自体は無料。

iPhone にインストールして、起動すると、まず新規アカウントの設定になる。そこで4桁の PIN コードを決める。指示にしたがって自分の iPhone の電話番号やメールアドレスを入れ、登録ボタンを押すと、Truphone 側から電話がかかってくる。英語。PIN コードを入れろと言ってくるので、キーパッドを表示させて、先ほどの4桁の数字を入れる。そのまま受話器を、ってか iPhone を耳に当てていると、congratulations! とかなんとか言われて、電話が切れる。

記入したメールアドレスに確認のメールが届くので、そこに記されたリンクをクリックして、登録を完了する。この画面は iPhone ではあまり見やすいとは言えないので、Mac / PC 上で処理した方がよい。

初登録時は 1USD ぶんの無料通話権が付与される。クレジットを追加するには、Web サイトから行なう。日本から多くの国へ、固定電話へなら1分6セント(6〜7円)、携帯へなら1分30セント(約32円)。Truphone 同士の通話は無料。と言いながら、最大の欠点は iPhone 上の Truphone には着信することはできないことだ。もっぱらかける側。でもそれだけでも利用価値はある。日本の外にいても、WiFi の使えるところなら安く電話がかけられるのはもちろん、国内でも場合によっては安くつく。また、国内で×フトバンクの電波が入らないけれども無線LANは使えるという場合(そういう場所は意外とありそうだ)でも電話が使えるわけだ。さらに、マイクを備えた第2世代 iPod touch でも、無線LANさえあれば、孫さんのところの3Gネットワーク抜きで電話ができてしまうということを意味する。

追記:そんなことを書いていたら、’fring‘ (無料)によって、Skype も Gizmo もあっさり使えるようになってしまった。すごい。

ドイツ語圏の iPhone 向けサイト

2008年9月29日 月曜日

ioptimiert.pngiPhone 向けに最適化されたドイツ語圏の web サイトを見るには、iOptimiert というポータルサイトが便利だ。

News を選ぶと、ARD, n-nt, Bild, Die Zeit, ZDF, Kicker, Die Welt, Fussball, Spiegel, Süddeutsche Zeitung, FAZ, Weltwoche といったリンクボタンが並んでいる。

iPhone / iPod touch 用語学教材:スペイン語

2008年9月28日 日曜日

spanish01.pngさて、iPhone / iPod touch 用のジェネリックなフラッシュカードは、ここですでにいくつか取り上げたが、現時点で最も強力なのは Mental Case
icon というアプリかもしれないと思っている。でもこれについてはまた改めて触れたい。

一方で、最初から特定のコンテンツを持った語学教材も、App Store にはすでに数多く出ている。その中から試してみたのは、24/7 Tutor (なんとも忙しそうな名前だ)の、スペイン語教材シリーズ。いまこの記事で書こうと思うのはこれのことだ。ずっと以前に少し齧ったスペイン語の復習ウォームアップのつもりでやってみた。現在のところ、以下のようなラインアップ。ここはスペイン語のこれだけしか出していない。(それにしても、App Store に並んでいる語学教材は、スペイン語が充実している。アメリカでの需要があるからなのだろう。それに次ぐのが日本語学習教材だろうか。)

結論から言うと、もちろん学習者のレベルが合っていればだが、かなりよくできている。基本的にやはりフラッシュカード系。各巻が7程度のユニット(それぞれ20〜30語)に分かれている。のだが、その切り分けかた、価格設定も絶妙だと思う。

spanish02.pngすべての単語に音声が付されている。よく考えられていて、フラッシュカードだけでなく、リスト表示、フラッシュカード、多肢選択、スペル文字クイズ、スペルテストからなり、順にこなしていくと無理なく進めることができる。左下の Choose Quiz を押すと、これらの Quiz Type を選択するボタンが現れる。このボタンの並び順とは一致しないが、常識的に考えて、以下のような順序で使っていけばいいだろう。

spanish03.png最初にリスト List でざっとその課の単語を眺める。単語にタッチすれば音声が流れる。

spanish04.png次にフラッシュカード Flash Card を使う。音声もめくりもオートにしておけばよい。

spanish06.png次に多肢選択 Multiple Choice。これは比較的容易だ。ここから先も、下のスピーカーアイコンをタッチすれば音声が聴ける。

spanish07.png次にパズルPuzzle に進むのがよいだろう。上で「スペル文字クイズ」と書いたものだが、簡単に言うと、吊るされる人物の絵柄のない「ハングマン」だ。それぞれの単語に使われる文字を、表の中からタッチで選んでいくのだが、最初から綴りを書くのとは違って、先頭の文字から入力する必要はない。単語の中で使われている文字でさえあれば、答える順序は問われない。また、同じ単語の中に同じ文字が複数回現れるときは、1回タッチすれば、同じ文字の箇所すべてにその文字が入る。単語に出てこない文字にミスタッチすると、右下の四角形が赤くなる。5つすべてが赤くなったらアウトだが、まずそういうことはない。かなり漠然とした記憶でも、正解にたどりつける場合がほとんどだ。こんな練習で、綴りに対する鋭敏さを養っていくことができる。

spanish08.png最後に書き込み Write In。スペルを書き込んで解答していく。これは、入力欄の下に文字数分の●が並んでいて、入力した文字ごとに、それが正しければ○、間違っていればXに変わる。この●○×は、非表示にすることもできる。

習得度は、それぞれの練習ごとに、正解率として表示される。

スペイン語の特殊記号(アクセント記号やチルダ)は、練習の中では原則無視できる。Write In で用いられる iPhone の標準キーボードでは、それらの入力も決して厄介ではないが、入力が簡単になる分、これはこれで一つの割り切りかただと思う。

間違えた単語を自動的にまとめて復習できるライトナー方式の練習の機能がないのは残念だが、自分で個々の単語に「プライオリティ=優先順位」を付けていくことで、優先順位の高い単語のみを集中して練習することは可能だ。初期画面右上の Options ボタンを押すと、この機能のオン・オフボタンが現れる。初期状態ではオフになっている。ここでオンにすると、フラッシュカードでの練習時などに、右上に Priority が表示される。最初は一律 Priority 3 になっている。それがそのままボタンになっていて、タッチすると、Priority が変更できる。これはあとでまとめて練習を繰り返したいという語彙は、Priority 1 とか 2 にしておいて、あとで Options 画面の閾値 Threshold をそれに合わせて設定すれば、絞り込んだ練習ができる。

当然と言うべきか、これだけでスペイン語が「できる」ようにはならないだろう。あえて言えば、ちょっと旅行に行ってどうにかこうにか用を足せる程度のレベルだろうか。ちょうどぼくのようにスペイン語をすこ〜しだけ知っている人がウォームアップするにはぴったりだ。

それにしても、この App Store の語学教材市場、プラトあたりの日本の業者は参入してこないのだろうか?

追記:と思っていたら、10月14日にアルクが英単語教材「キクタン」で日本の業者としては一番乗りを果たしたようだ。

ドイツ関連 iPhone 用アプリ その2 クロスワードと聖書

2008年9月20日 土曜日

kreuzwort.jpg学生としてドイツにいた頃、よく知られたテレビ番組雑誌 HÖR ZU をときどき買っていた。あまりテレビは好きではないのだが、ドイツ語の勉強のために見なきゃと思い、そんな雑誌も買って、でも結局あまり見なかった。欠かさず見ていたのはアメリカのファミリーコメディ「アルフ」のドイツ語吹き替え版(日本でもひところ所ジョージの見事な吹き替えでNHKがやっていた)くらいのものだ(あ、RTLの Tutti Frutti も見てたな)。「アルフ」の時間になると、寮の他の学生が僕の部屋に一緒に見に来ることもあった。ドイツ語のノベライズ本まで買った覚えがある。(お、ここによると NHK は2008年10月からの再放送を決めたらしい。)

ところで、ドイツ人たち、あるいはドイツ語圏の人たちは、とにかくクロスワードが好きだという印象がある。Rätsel-Freunde というやつだ。IC とか、ICE とか、長距離の特急に乗ると、必ず一両に5人くらいは雑誌や新聞のクロスワードパズルを解いているのがいる。公共の場所で、多くの人が見るように置かれた新聞、雑誌でも、クロスワードパズルに書き込みがあるものもよく見たような気がする。条件反射的に解きにかかってしまうのだろう。そして新聞・雑誌の9割には、クロスワードの問題が載っていたように記憶する。

で、HÖR ZU には、やはりクロスワードが毎号載っていたのだが、当時のぼくには全然歯が立たなかった。(もう一つ、かなり本格的な油彩の絵を元にした間違い探しも必ずついていて、部屋のベッドにごろごろしながら、これは喜んでやった。)

その〈ドイツ語の〉クロスワードパズルが、iPhone / iPod touch 用アプリとして登場した。Kreuzworträtsel (German Only)
icon。タイトルにご丁寧に「ドイツ語のみ」と付されている。230円。

kreuzwort00.jpg初級100問、中級100問、上級100問。ぼくには初級ぐらいで十分楽しめる。

kreuzwort01.jpg空いた升目を使って小さく縦横の鍵が書かれているのも、ドイツでお馴染のスタイルで懐かしい。そのままのサイズでは、これでは読めやしないのだが、選択した部分の鍵は、画面の下、キーボードの上に表示される。また、iPhone の通常のお作法どおり、画面のダブルタップで部分を拡大表示させることもできる。

詰まったら、キーボード右上の i ボタンをタップすると、「すべての答を表示する」「選択したマスの文字を表示する」「誤りをチェックする」というボタンが現れる。1面だけやってみたが、この「誤りをチェックする」ボタンには何回かお世話になった。

一問ずつ片づけていかなければならないということはなく、いくつものクロスワードを並行して進めることもできるし、いったん解いたものをリセットすることもできる。

つねに携帯している iPhone でクロスワードができるというのは、なかなかいいかもしれない。これで、ドイツ語の語彙が少しは増えるだろうか?

話変って、聖書アプリ。iPhone 上で聖書を読めるようにするアプリは、すでにごまんと出ている。やっぱりキリスト教なんだよな、あいつら。あいつらって誰だかよくわからないが、まあ、アメリカをはじめとして、いま iPhone が売られているような国の大半だ。今現在、世界人口の19%がイスラムで、33%がキリスト教だという数字もある。キリスト教ったっていろいろあるけど。で、聖書アプリの大半は英語とたかだかスペイン語。ルター訳ドイツ語聖書も収めているものは少なくて、BibleScope
iconぐらいのようだ(ポルトガル語、ロシア語も収録)。600円。商売上、レファレンス用に入れておくべきか…。
Trubar 訳のスロヴェニア語聖書はないなあ。

追記:その後、BibleReader (無料)がルター訳聖書なども収めていることが分かって、ぼくはとりあえずこれを入れておくことにした。収録されているのは:

  • New English Translation – NETBible
  • Modern King James Version – MKJV
  • American Standard Version – ASV
  • Darby’s Translation
  • Young’s Literarl Translation
  • Weymouth New Testament
  • Spanish – Reina Valera
  • French – Darby 1991
  • German – Luther 1912

フォントや背景色、文字色は設定で自分の見やすいものに変更できる。聖書学の専門でもなんでもない者にとっては、とりあえずこれで十分かな。

コイネーが入っているほうがいいのなら、Holy Bible (無料)がある。これはギリシャ語三種類に英語5種類、スペイン語三種類を収める。

東六甲赤子谷とGPS

2008年9月17日 水曜日

9月9日。抜けるように青い空の初秋の朝、一人で六甲の赤子谷に出かけた。
六甲はつまらないなどとぼやいてばかりいても仕方ない。近くてさっと出かけられるメリットは確かにあるし、少し(ぼくにとって)新たなコースを開拓しようと思っていたところ、いくつかのサイトで目に留まったのが赤子谷。手軽そうな沢登りのコース。宝塚から有馬に向かって少し入ったところから、六甲縦走路に出る。

デジカメを持ち、Sony の GPS-C1 をリュックにぶら下げて、家を出た。ほんとうは、iPhone に入れた GPS トラッカーソフト、iTrail
icon を試しに使おうと思っていたのだが、出発直前に iPhone のトラブル。実際、とくに何か新たなソフトを入れようとしたりすると、よく固まる(帰ってから修復した)。なんだか Mac OS X の初期の頃のようで、実にわくわくするが、そういうことに馴染のない方には iPhone はまだまだ薦められないと、正直、思う。もう1,2年したら、みんなに使ってもらえると思うし、使ってもらいたいと思うけれど。(この直後に出た iPhone のアップデート 2.1 で、このあたりはかなり安定した。「ふつうの人」に薦められるようになるのも案外早いかもしれない。)

9時10分宝塚発のバス(時刻表)で9時18分ごろ一本松下車。車道を少し戻る。北側は大規模な採石場で、その轟音がずっとひびいている。緑色の橋(赤子谷のガイドでよく出てくる千都橋の一本上流の橋だ)を渡って、反対の坂道を登って行く(いったん千都橋にも行ってみた)。左右は企業のグラウンドだが、一般向けの営業をしているようでもある。でも平日のいま、人の姿はなかった。

あちこちのサイトに書かれているとおり、やがてゲートと鉄条網で道が塞がれている。その手前左に降りていく道があり、ちょっと行くと沢沿いに入っていくことができる。この小道は、すぐに、先ほど塞がれていた林道風の道(のゲートの内側)に出る。左に進んで、夏草に埋もれている西宝橋を見て通りすぎると、山道らしくなってくる。これもあちこちに「壊れている」と書かれている木橋は、修復されていた。この橋で右岸に渡り、道通しにそのまま2つほどの堰堤を越えることになる。この道が川に出たところが、赤子谷左俣・右俣の合流点。なんとも細い、この先に滝場があるとも思えないような、小川、小さな川だ。左右の流れにはさまれたあたりは、小さな広場のようで、飯盒炊さんなどの炊事用だったのか、人の頭ほどの石がごろごろ。小さなケルンもある。

左右の流れの真ん中を進んで、少し先で左俣の流れに入る。小さな石組みの堰堤を二つ、左から越えていくと、5メートルの滝。「赤子滝」という札が付けられている。右から高巻きし、すぐ上の小滝の落ち口に降りて、流れの左に渡る。また堰堤を越えて進んでいくと、ゴルジュの入り口。両岸が切り立った、狭い廊下状の部分で、奥行き30メートルくらい。すごいというほどのものでもないが、こういうゴルジュは六甲では珍しいのだそうだ。好天が続いたせいもあるだろうが、全体に水量は少ない。ゴルジュの中ほどの小滝も、軽く越える。

ゴルジュを抜けたところで沢筋は右に90度曲がる。その少し先で、再び左に曲がるところが、次の滝。3段くらいで10メートル(5段と数えているサイトもある)。最下段は左から越えたが、結局そこから右に残置ロープのところに逃げ、最上部は斜め左に抜けた。その上の2条の滝は右を直登。

二ヶ所ほど、沢は左右に分かれる。本流っぽいほう、白や赤のテープの目印が目立つほうをたどる。いくつかの小滝を越え、ほとんど水のなくなった谷筋をたどる。古い石積みがあるあたりまで来ると、まるで水はなくなる。このあたりの登りが単調できつく感じる。完全に沢でも何でもない、ただの斜面の急登になると、間もなく稜線に飛び出す。高圧線の鉄塔の真下だ。11時8分。そのすぐ向こうが六甲の縦走路。縦走路を2,3分左に、宝塚方向にたどって、それから左に一登りすると岩倉山の山頂。石積のかまどのような中に不動明王(?)が鎮座する。ここで早めの昼食。三等三角点だが、眺望はない。

それから鉄塔のところまでもどり、さらに縦走路を西に向かう。鉄塔からほんの少しのところで、左に出る道がある。行き止まりなのだが、樹林の中の縦走路と一転して、周囲は草原で、南方向の展望が素晴らしい。すぐ下に行者山の尾根が見え、その向こうは甲山と北山貯水池。そしてはるかに大阪湾の全体が見渡せる。快晴のなかの快晴のこの日、ここの日差しは強烈で、それから小暗い縦走路に戻ったとき、目が慣れるまでにかなり時間がかかった。

そこからさらに縦走路を少しだけ西に進むと、分岐がある。十字路で、いくつもの道標が立っている。左に、縦走路を離れて、ゆずり葉台方面に行く道が下っている。その反対、右側に行く道には、明確な道標はないが、赤子谷右俣に降りていくルートのはずだ。その方向には、少し奥まったところに、わけの分からない標識がある。

左にゆずり葉台方面に向かう。譲葉山と行者山の鞍部まで来ると、詳細な地図のついた懇切な道標がある。ここで今日初めて他の登山者にあう。光が丘か行者山からきた年配の男性。そのままゆずり葉台方面に歩いていった。ぼくは道標にしたがってゆずり葉台に向かう道を離れ、光が丘のほうに下る。途中、行者山に登る道を分ける。前半は水のまったくない谷道。それがすうっと尾根に上がると、あとは尾根通しに下っていく。このあたりの空気と風を、今回もっともさわやかに感じた。山道の最後の最後、あくまでも尾根通しに下る道と、左に改めて谷に降りていく道に分かれる。労力的には大差はなさそう。谷に降りる道を選ぶと、大きな砂防ダムのところに出る。砂防ダムの上流側には、ついさっきまでは影も形もなかった水が現れ、ちょっとした池になっていて、藻が白い花をつけている。ダムの前面に、急な階段がついていて、水の流れるところまで降りる。地図から判断して、この上流には汚染源はほとんどないだろうと考え、空いたペットボトルに水を汲む。でもそこからほんの少し下ると、尾根通しの道を合わせ、光が丘の住宅地に飛び出す。

ここはまだ標高200メートル以上ある高台。住宅街の、強烈な光にみちた、さほど広くない道には、人っ子一人いない。下っていくと、不意に光が丘北のバス停が現れた(時刻表)。一時間に1,2本のバスまで、ありがたいことにあと10分あまり。バス時刻の5分ほど前になると、どこからともなく人が現れた。ほとんどが年配の、4,5人。来たバスに乗り込むと、止まる停留所ごとに3,4人の人が乗り込んで、座席はあっという間に一杯になった。バスは急な坂道を下っていく。やがて逆瀬川の駅に着く。

GPS-CS1K は Sony がデジカメのアクセサリの一つとして販売している製品。GPS ガジェットとしてはもっとも手軽な品だ。付属ソフトの GPS Image Tracker で、GPS-C1 から読み込んだ位置情報を、時刻を照合することによって写真データに埋め込んでくれる。ところが Sony 製品の常として、付属するこれは Windows 用オンリー。

GPS-C1のデータそのものは、Mac でも LoadMyTracks (無料)で変換してやれば、Google EarthTrailRunner に持っていって、地図上にトレイルを表示させることができる。USB で GPS-C1 を繋げば USB ストレージとして認識される。GPS-C1 のデータは単なるテキストファイルなので、あとはそれをデスクトップに引っぱり出せばよい。以前は、Mac OS X のバグで、GPS-C1 はストレージとしても認識されなかったのだが、Mac OS X 10.5.3 でこの点は改善されたようだ。

写真と GPS データをまとめて扱うとなると、現在のベストは JetPhoto Studio だろう。GPS-C1 のデータも直接読み込むことができる。それについてはまた改めて書こうと思う。