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東六甲赤子谷とGPS

2008年9月17日 水曜日

9月9日。抜けるように青い空の初秋の朝、一人で六甲の赤子谷に出かけた。
六甲はつまらないなどとぼやいてばかりいても仕方ない。近くてさっと出かけられるメリットは確かにあるし、少し(ぼくにとって)新たなコースを開拓しようと思っていたところ、いくつかのサイトで目に留まったのが赤子谷。手軽そうな沢登りのコース。宝塚から有馬に向かって少し入ったところから、六甲縦走路に出る。

デジカメを持ち、Sony の GPS-C1 をリュックにぶら下げて、家を出た。ほんとうは、iPhone に入れた GPS トラッカーソフト、iTrail
icon を試しに使おうと思っていたのだが、出発直前に iPhone のトラブル。実際、とくに何か新たなソフトを入れようとしたりすると、よく固まる(帰ってから修復した)。なんだか Mac OS X の初期の頃のようで、実にわくわくするが、そういうことに馴染のない方には iPhone はまだまだ薦められないと、正直、思う。もう1,2年したら、みんなに使ってもらえると思うし、使ってもらいたいと思うけれど。(この直後に出た iPhone のアップデート 2.1 で、このあたりはかなり安定した。「ふつうの人」に薦められるようになるのも案外早いかもしれない。)

9時10分宝塚発のバス(時刻表)で9時18分ごろ一本松下車。車道を少し戻る。北側は大規模な採石場で、その轟音がずっとひびいている。緑色の橋(赤子谷のガイドでよく出てくる千都橋の一本上流の橋だ)を渡って、反対の坂道を登って行く(いったん千都橋にも行ってみた)。左右は企業のグラウンドだが、一般向けの営業をしているようでもある。でも平日のいま、人の姿はなかった。

あちこちのサイトに書かれているとおり、やがてゲートと鉄条網で道が塞がれている。その手前左に降りていく道があり、ちょっと行くと沢沿いに入っていくことができる。この小道は、すぐに、先ほど塞がれていた林道風の道(のゲートの内側)に出る。左に進んで、夏草に埋もれている西宝橋を見て通りすぎると、山道らしくなってくる。これもあちこちに「壊れている」と書かれている木橋は、修復されていた。この橋で右岸に渡り、道通しにそのまま2つほどの堰堤を越えることになる。この道が川に出たところが、赤子谷左俣・右俣の合流点。なんとも細い、この先に滝場があるとも思えないような、小川、小さな川だ。左右の流れにはさまれたあたりは、小さな広場のようで、飯盒炊さんなどの炊事用だったのか、人の頭ほどの石がごろごろ。小さなケルンもある。

左右の流れの真ん中を進んで、少し先で左俣の流れに入る。小さな石組みの堰堤を二つ、左から越えていくと、5メートルの滝。「赤子滝」という札が付けられている。右から高巻きし、すぐ上の小滝の落ち口に降りて、流れの左に渡る。また堰堤を越えて進んでいくと、ゴルジュの入り口。両岸が切り立った、狭い廊下状の部分で、奥行き30メートルくらい。すごいというほどのものでもないが、こういうゴルジュは六甲では珍しいのだそうだ。好天が続いたせいもあるだろうが、全体に水量は少ない。ゴルジュの中ほどの小滝も、軽く越える。

ゴルジュを抜けたところで沢筋は右に90度曲がる。その少し先で、再び左に曲がるところが、次の滝。3段くらいで10メートル(5段と数えているサイトもある)。最下段は左から越えたが、結局そこから右に残置ロープのところに逃げ、最上部は斜め左に抜けた。その上の2条の滝は右を直登。

二ヶ所ほど、沢は左右に分かれる。本流っぽいほう、白や赤のテープの目印が目立つほうをたどる。いくつかの小滝を越え、ほとんど水のなくなった谷筋をたどる。古い石積みがあるあたりまで来ると、まるで水はなくなる。このあたりの登りが単調できつく感じる。完全に沢でも何でもない、ただの斜面の急登になると、間もなく稜線に飛び出す。高圧線の鉄塔の真下だ。11時8分。そのすぐ向こうが六甲の縦走路。縦走路を2,3分左に、宝塚方向にたどって、それから左に一登りすると岩倉山の山頂。石積のかまどのような中に不動明王(?)が鎮座する。ここで早めの昼食。三等三角点だが、眺望はない。

それから鉄塔のところまでもどり、さらに縦走路を西に向かう。鉄塔からほんの少しのところで、左に出る道がある。行き止まりなのだが、樹林の中の縦走路と一転して、周囲は草原で、南方向の展望が素晴らしい。すぐ下に行者山の尾根が見え、その向こうは甲山と北山貯水池。そしてはるかに大阪湾の全体が見渡せる。快晴のなかの快晴のこの日、ここの日差しは強烈で、それから小暗い縦走路に戻ったとき、目が慣れるまでにかなり時間がかかった。

そこからさらに縦走路を少しだけ西に進むと、分岐がある。十字路で、いくつもの道標が立っている。左に、縦走路を離れて、ゆずり葉台方面に行く道が下っている。その反対、右側に行く道には、明確な道標はないが、赤子谷右俣に降りていくルートのはずだ。その方向には、少し奥まったところに、わけの分からない標識がある。

左にゆずり葉台方面に向かう。譲葉山と行者山の鞍部まで来ると、詳細な地図のついた懇切な道標がある。ここで今日初めて他の登山者にあう。光が丘か行者山からきた年配の男性。そのままゆずり葉台方面に歩いていった。ぼくは道標にしたがってゆずり葉台に向かう道を離れ、光が丘のほうに下る。途中、行者山に登る道を分ける。前半は水のまったくない谷道。それがすうっと尾根に上がると、あとは尾根通しに下っていく。このあたりの空気と風を、今回もっともさわやかに感じた。山道の最後の最後、あくまでも尾根通しに下る道と、左に改めて谷に降りていく道に分かれる。労力的には大差はなさそう。谷に降りる道を選ぶと、大きな砂防ダムのところに出る。砂防ダムの上流側には、ついさっきまでは影も形もなかった水が現れ、ちょっとした池になっていて、藻が白い花をつけている。ダムの前面に、急な階段がついていて、水の流れるところまで降りる。地図から判断して、この上流には汚染源はほとんどないだろうと考え、空いたペットボトルに水を汲む。でもそこからほんの少し下ると、尾根通しの道を合わせ、光が丘の住宅地に飛び出す。

ここはまだ標高200メートル以上ある高台。住宅街の、強烈な光にみちた、さほど広くない道には、人っ子一人いない。下っていくと、不意に光が丘北のバス停が現れた(時刻表)。一時間に1,2本のバスまで、ありがたいことにあと10分あまり。バス時刻の5分ほど前になると、どこからともなく人が現れた。ほとんどが年配の、4,5人。来たバスに乗り込むと、止まる停留所ごとに3,4人の人が乗り込んで、座席はあっという間に一杯になった。バスは急な坂道を下っていく。やがて逆瀬川の駅に着く。

GPS-CS1K は Sony がデジカメのアクセサリの一つとして販売している製品。GPS ガジェットとしてはもっとも手軽な品だ。付属ソフトの GPS Image Tracker で、GPS-C1 から読み込んだ位置情報を、時刻を照合することによって写真データに埋め込んでくれる。ところが Sony 製品の常として、付属するこれは Windows 用オンリー。

GPS-C1のデータそのものは、Mac でも LoadMyTracks (無料)で変換してやれば、Google EarthTrailRunner に持っていって、地図上にトレイルを表示させることができる。USB で GPS-C1 を繋げば USB ストレージとして認識される。GPS-C1 のデータは単なるテキストファイルなので、あとはそれをデスクトップに引っぱり出せばよい。以前は、Mac OS X のバグで、GPS-C1 はストレージとしても認識されなかったのだが、Mac OS X 10.5.3 でこの点は改善されたようだ。

写真と GPS データをまとめて扱うとなると、現在のベストは JetPhoto Studio だろう。GPS-C1 のデータも直接読み込むことができる。それについてはまた改めて書こうと思う。