さて、iPhone / iPod touch 用のジェネリックなフラッシュカードは、ここですでにいくつか取り上げたが、現時点で最も強力なのは Mental Case
というアプリかもしれないと思っている。でもこれについてはまた改めて触れたい。
一方で、最初から特定のコンテンツを持った語学教材も、App Store にはすでに数多く出ている。その中から試してみたのは、24/7 Tutor (なんとも忙しそうな名前だ)の、スペイン語教材シリーズ。いまこの記事で書こうと思うのはこれのことだ。ずっと以前に少し齧ったスペイン語の復習ウォームアップのつもりでやってみた。現在のところ、以下のようなラインアップ。ここはスペイン語のこれだけしか出していない。(それにしても、App Store に並んでいる語学教材は、スペイン語が充実している。アメリカでの需要があるからなのだろう。それに次ぐのが日本語学習教材だろうか。)
- Spanish 1
¥450
- Spanish 2
Basic Vocab¥350
- Spanish 3
Descriptive Words¥450
- Spanish 4
Phrases: Basic¥450
- Spanish 5
Phrases: Wants & Needs¥450
- Spanish Food & Dining
¥350
結論から言うと、もちろん学習者のレベルが合っていればだが、かなりよくできている。基本的にやはりフラッシュカード系。各巻が7程度のユニット(それぞれ20〜30語)に分かれている。のだが、その切り分けかた、価格設定も絶妙だと思う。
すべての単語に音声が付されている。よく考えられていて、フラッシュカードだけでなく、リスト表示、フラッシュカード、多肢選択、スペル文字クイズ、スペルテストからなり、順にこなしていくと無理なく進めることができる。左下の Choose Quiz を押すと、これらの Quiz Type を選択するボタンが現れる。このボタンの並び順とは一致しないが、常識的に考えて、以下のような順序で使っていけばいいだろう。
最初にリスト List でざっとその課の単語を眺める。単語にタッチすれば音声が流れる。
次にフラッシュカード Flash Card を使う。音声もめくりもオートにしておけばよい。
次に多肢選択 Multiple Choice。これは比較的容易だ。ここから先も、下のスピーカーアイコンをタッチすれば音声が聴ける。
次にパズルPuzzle に進むのがよいだろう。上で「スペル文字クイズ」と書いたものだが、簡単に言うと、吊るされる人物の絵柄のない「ハングマン」だ。それぞれの単語に使われる文字を、表の中からタッチで選んでいくのだが、最初から綴りを書くのとは違って、先頭の文字から入力する必要はない。単語の中で使われている文字でさえあれば、答える順序は問われない。また、同じ単語の中に同じ文字が複数回現れるときは、1回タッチすれば、同じ文字の箇所すべてにその文字が入る。単語に出てこない文字にミスタッチすると、右下の四角形が赤くなる。5つすべてが赤くなったらアウトだが、まずそういうことはない。かなり漠然とした記憶でも、正解にたどりつける場合がほとんどだ。こんな練習で、綴りに対する鋭敏さを養っていくことができる。
最後に書き込み Write In。スペルを書き込んで解答していく。これは、入力欄の下に文字数分の●が並んでいて、入力した文字ごとに、それが正しければ○、間違っていればXに変わる。この●○×は、非表示にすることもできる。
習得度は、それぞれの練習ごとに、正解率として表示される。
スペイン語の特殊記号(アクセント記号やチルダ)は、練習の中では原則無視できる。Write In で用いられる iPhone の標準キーボードでは、それらの入力も決して厄介ではないが、入力が簡単になる分、これはこれで一つの割り切りかただと思う。
間違えた単語を自動的にまとめて復習できるライトナー方式の練習の機能がないのは残念だが、自分で個々の単語に「プライオリティ=優先順位」を付けていくことで、優先順位の高い単語のみを集中して練習することは可能だ。初期画面右上の Options ボタンを押すと、この機能のオン・オフボタンが現れる。初期状態ではオフになっている。ここでオンにすると、フラッシュカードでの練習時などに、右上に Priority が表示される。最初は一律 Priority 3 になっている。それがそのままボタンになっていて、タッチすると、Priority が変更できる。これはあとでまとめて練習を繰り返したいという語彙は、Priority 1 とか 2 にしておいて、あとで Options 画面の閾値 Threshold をそれに合わせて設定すれば、絞り込んだ練習ができる。
当然と言うべきか、これだけでスペイン語が「できる」ようにはならないだろう。あえて言えば、ちょっと旅行に行ってどうにかこうにか用を足せる程度のレベルだろうか。ちょうどぼくのようにスペイン語をすこ〜しだけ知っている人がウォームアップするにはぴったりだ。
それにしても、この App Store の語学教材市場、プラトあたりの日本の業者は参入してこないのだろうか?
追記:と思っていたら、10月14日にアルクが英単語教材「キクタン」で日本の業者としては一番乗りを果たしたようだ。


