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iPhone / iPod touch 用語学教材:スペイン語

2008年9月28日 日曜日

spanish01.pngさて、iPhone / iPod touch 用のジェネリックなフラッシュカードは、ここですでにいくつか取り上げたが、現時点で最も強力なのは Mental Case
icon というアプリかもしれないと思っている。でもこれについてはまた改めて触れたい。

一方で、最初から特定のコンテンツを持った語学教材も、App Store にはすでに数多く出ている。その中から試してみたのは、24/7 Tutor (なんとも忙しそうな名前だ)の、スペイン語教材シリーズ。いまこの記事で書こうと思うのはこれのことだ。ずっと以前に少し齧ったスペイン語の復習ウォームアップのつもりでやってみた。現在のところ、以下のようなラインアップ。ここはスペイン語のこれだけしか出していない。(それにしても、App Store に並んでいる語学教材は、スペイン語が充実している。アメリカでの需要があるからなのだろう。それに次ぐのが日本語学習教材だろうか。)

結論から言うと、もちろん学習者のレベルが合っていればだが、かなりよくできている。基本的にやはりフラッシュカード系。各巻が7程度のユニット(それぞれ20〜30語)に分かれている。のだが、その切り分けかた、価格設定も絶妙だと思う。

spanish02.pngすべての単語に音声が付されている。よく考えられていて、フラッシュカードだけでなく、リスト表示、フラッシュカード、多肢選択、スペル文字クイズ、スペルテストからなり、順にこなしていくと無理なく進めることができる。左下の Choose Quiz を押すと、これらの Quiz Type を選択するボタンが現れる。このボタンの並び順とは一致しないが、常識的に考えて、以下のような順序で使っていけばいいだろう。

spanish03.png最初にリスト List でざっとその課の単語を眺める。単語にタッチすれば音声が流れる。

spanish04.png次にフラッシュカード Flash Card を使う。音声もめくりもオートにしておけばよい。

spanish06.png次に多肢選択 Multiple Choice。これは比較的容易だ。ここから先も、下のスピーカーアイコンをタッチすれば音声が聴ける。

spanish07.png次にパズルPuzzle に進むのがよいだろう。上で「スペル文字クイズ」と書いたものだが、簡単に言うと、吊るされる人物の絵柄のない「ハングマン」だ。それぞれの単語に使われる文字を、表の中からタッチで選んでいくのだが、最初から綴りを書くのとは違って、先頭の文字から入力する必要はない。単語の中で使われている文字でさえあれば、答える順序は問われない。また、同じ単語の中に同じ文字が複数回現れるときは、1回タッチすれば、同じ文字の箇所すべてにその文字が入る。単語に出てこない文字にミスタッチすると、右下の四角形が赤くなる。5つすべてが赤くなったらアウトだが、まずそういうことはない。かなり漠然とした記憶でも、正解にたどりつける場合がほとんどだ。こんな練習で、綴りに対する鋭敏さを養っていくことができる。

spanish08.png最後に書き込み Write In。スペルを書き込んで解答していく。これは、入力欄の下に文字数分の●が並んでいて、入力した文字ごとに、それが正しければ○、間違っていればXに変わる。この●○×は、非表示にすることもできる。

習得度は、それぞれの練習ごとに、正解率として表示される。

スペイン語の特殊記号(アクセント記号やチルダ)は、練習の中では原則無視できる。Write In で用いられる iPhone の標準キーボードでは、それらの入力も決して厄介ではないが、入力が簡単になる分、これはこれで一つの割り切りかただと思う。

間違えた単語を自動的にまとめて復習できるライトナー方式の練習の機能がないのは残念だが、自分で個々の単語に「プライオリティ=優先順位」を付けていくことで、優先順位の高い単語のみを集中して練習することは可能だ。初期画面右上の Options ボタンを押すと、この機能のオン・オフボタンが現れる。初期状態ではオフになっている。ここでオンにすると、フラッシュカードでの練習時などに、右上に Priority が表示される。最初は一律 Priority 3 になっている。それがそのままボタンになっていて、タッチすると、Priority が変更できる。これはあとでまとめて練習を繰り返したいという語彙は、Priority 1 とか 2 にしておいて、あとで Options 画面の閾値 Threshold をそれに合わせて設定すれば、絞り込んだ練習ができる。

当然と言うべきか、これだけでスペイン語が「できる」ようにはならないだろう。あえて言えば、ちょっと旅行に行ってどうにかこうにか用を足せる程度のレベルだろうか。ちょうどぼくのようにスペイン語をすこ〜しだけ知っている人がウォームアップするにはぴったりだ。

それにしても、この App Store の語学教材市場、プラトあたりの日本の業者は参入してこないのだろうか?

追記:と思っていたら、10月14日にアルクが英単語教材「キクタン」で日本の業者としては一番乗りを果たしたようだ。

iPhone 用フラッシュカード その2 Lexicon

2008年9月6日 土曜日

lexicon.jpgLexicon が Mac 版バージョン 1.3 から iPhone / iPod touch 版 Lexicon
icon へのエクスポートができるようになったので試してみた。Windows 版はなく、Mac 版(25ドル)、iPhone 版(1200円)それぞれが有料。ただし、iPhone 版を先に購入すると、Mac 版が7ドル引きで18ドルになるクーポン番号が得られる(iPhone 版の Sharing タブで options ボタンを押すと、Lexicon Coupon を表示させることができる)。

Mac 版に、データを一括インポートするのは容易で、タブ区切りテキストを用意しさえすればよい。この点は、StudyCards で Web にアップロードするのよりも簡単だ(あちらは特定のフォーマットに整形しなければならないので)。ただし、学習する言語と、その対訳のフィールドしか意味をなさない。元のデータで、品詞その他の独立したフィールドがあっても、直接活かすことはできない。品詞情報などは、Tag フィールドに改めて入れるしかなさそうだ。

Mac 版は実は LanguageSyncs というのが売り。一部の言語に関しては、基本的な単語は、入力した途端に、開発元の用意したデータベースによって、訳語が自動的に入力されるようにすることができる。とは言っても、現時点では、ドイツ語、フランス語、日本語のほんのわずかな単語に対応しているにすぎないようだ。

Mac 版で、実際の画面そのものにかぶせて現れる「チュートリアル」(英語)は分かりやすいと言えば分かりやすいが、ヘルプファイルや、開発元サイトのフォーラムは充実しているとは言いがたい。だから少し触ってみて分かった範囲で、使い方を以下に記す。

もちろん iPhone 版単体で、iPhone 上で一語一語単語のデータを入れていくこともできる。しかし iPhone 上での文字入力は周知のように少々かったるい(それにしたって、シフトJISしか使えない旧来のケータイに比べれば…とも思うが)ので、Mac で入力して iPhone に持っていくのがいい。

Mac 版から iPhone 版にデータを持っていくには、無線LANの使える環境で、Mac 版の Lexicon メニュー→ Preferendes… → Sharing で、Share my vocabulary にチェックを入れると、iPhone 版の Sharing タブからアクセスできるようになる。一語一語選択して Add Word ボタンを押すか、一括して、右上の Add All ボタンを押してインポートする。1500語に対してこの Add All をやったら、画面が固まったようになった。待ち切れずにホームボタンを押し、また Lexicon を立ち上げると、リストの後半が入っていない。もう一度同じ操作でインポートしなおすと、今度はすべて入っていた。上端のバーの時刻も動いていたし、べつにフリーズしていたわけではなさそうだ。ここはしかし作業が進行中である旨の表示があってほしいところだ。(その後、iPhone の調子がおかしくなって「復元」をするハメに…。再度 Lexicon のシンクをやってみて分かったことは、シンク中画面が固まったようになっていても、画面上端の時計が動いているようならば問題ないので、放置するべきだということだ。1500語のシンクは相当時間がかかる。シンクが完了すれば、画面が反応するようになる。それまではホームボタンを押したりしてはいけない。)

Mac 版でも iPhone 版でも、カードを次々めくっていく感覚の Practice モードでまず語彙になじみ、それから Quiz モードで確実にしていくという段取りになる。Mac 版は Practice モードでのみ、全画面表示のボタンが現れる。

Quiz は、Mac 版では Multiple Choice (4択)と Short Answer が選べる。4択は、ひたすらクリックでも使えるが、選択肢の a, b, c, d をキーボードで答え、リターンで正誤チェック、さらにリターンで次の問題に進むのがいい。Short Answer は、単語そのもの、または訳語を打ち込んでいく。たいていの場合、訳語(おそらく日本語だろう)は必ずしも一語に絞っておらず、複数書き並べている場合もあるはずで、したがって Short Answer では日本語を提示させて学習対象言語の綴りを打ち込んでいくのが現実的だろう。

iPhone 版の Quiz は、現時点では5択問題しかできない。選択肢をタッチしていく動作自体は、iPhone ならではと言うか、快適だ。

Mac 版でも iPhone 版でも、各語彙の「難易度」を3段階で設定でき、難易度別に練習することが可能になっている。この難易度はリストの中で設定することもできるし、Practice や Quiz の中で設定していくこともできる。

音声データを加えていくこともできそう(iPhone 版には明らかにそのためのフィールドがある)なのだが、そのやり方が分からない。もしかしたらまだ実装が済んでいないのかもしれない。

Mac 版では、単語をグループに分けることができるのだが、これは iPhone 版には反映されないようだ。

まだ発展途上だが、ちょっと使ってみた感触は、ぼくにとっては、StudyCards よりも Lexicon のほうが良かった。やはり自分の Mac から直接データを持っていくことができて、開発元のサーバをわざわざ経由する必要がないのがよい。今後のバージョンアップに期待しよう。

消息筋(笑)によれば、実は開発が止まってソースコードが公開されている、非常に洗練されたMac用語彙学習ソフト ProVoc の iPhone 対応が、日本の篤志家によって現在進行中らしい。これも実現が楽しみだ。

ドイツ語圏関連 iPhone アプリ

2008年8月30日 土曜日

PONS Advanced Dictionary Englisch-Deutsch英和・和英辞典は『ウィズダム』が初期のトラブルを克服して App Store に再登場し、評価が高いようだ。言われているインストール時のトラブルはぼくのところでも再現して、インストール後、他のいくつかのアプリが起動できなくなった。『ウィズダム』をいったんはずして、iPhone を再起動し、『ウィズダム』を改めてインストールしたところ、その後は特に問題は起きていない。

独和や仏和もほしいところだ。EPWING形式の辞書データをそのまま持ち込める iDic は、かつて jailbreak された iPod touch での必須アプリだった。App Store での正式リリースを予定しているようだが、まだ出てきていない。weDict はいち早く無料で App Store に登場した。もともと StarDict 形式の辞書データは何でも読み込めるものだったが、App Store で手に入る weDict に最初から入っているのは WordNet と英語-中国語辞典だけで、辞書の追加は今のところできないようだ。

そんな中、ドイツの定評ある辞書、PONS シリーズが早々に App Store に現れたのは有難い。8月末時点で、以下の4本。各2900円。
PONS Advanced dictionary English-German
PONS Advanced dictionary French-German
PONS Advanced dictionary Italian-German
PONS Advanced dictionary Spanish-German
いずれも、二言語双方向で使える。ぼくは独英英独辞典を入れてみた。悪くない。これらはソフトの開発元 Paragon Software のサイトで詳細を見ることができる。

fahrplan.pngそれにしても、日本の辞書出版社はぼやぼやしすぎ。独和に限定して言えば、D学社なんて、ビジネスチャンスだと思うんだけどな。博×社のあの辞書はそもそもデジタルデータは存在しないだろうなと思うけど。デジタル系に強いような気がするS修社はどうしたのか。中途半端なS省堂は? もちろん漫画家の搾取で名を落としたS学館が手持ちのデータを iPhone 用に出してくれれば一番嬉しい。

fahrplan02.jpg辞書の話はそこまでにしておいて、ドイツにいれば使いたいのが Fahrplan という時刻表ソフト(無料)。ドイツの App Store では、一時期ダウンロード・トップの座にあったようだ。円の中に H のアイコンは、分かる人にはすぐにピンとくるはず(ドイツ語圏のバスやトラムの停留所 Haltestelle の記号だ)。出発時刻が黄色地で、到着時刻が白地で表示されるのも懐かしい。データはネット依存で、ドイツのあらゆる駅の現在時刻前後の時刻表が取得でき、遅延情報も表示される。それどころか、列車だけでなく、バスや市電までカバーしているのだ。さらに、ドイツの、と書いたが、試してみたら、Zürich でも Klagenfurt でも、Paris Nord でも Lyon-Perrache でもデータを出してきた。いったいどこまでカバーしているのだろう。これはなかなかすごい。なお、スイス鉄道に特化した SBB Fahrplan (無料)も出ている。

ベルリンの公共交通情報に限れば、Fahr-Info Berlin (無料)がなかなかすごい。これも、現在時刻直近のベルリンの Sバーン、Uバーン、バス、トラムの時刻を表示し、出発地と到着地を入力すれば「乗り換え案内」的な使い方ができる。さらに GPS とも連動していて、現在地を自動で取得することもできる(ベルリンにいないことには意味がないけど)。

ちょっと特殊なのが Cocktails(無料)。もちろんカクテル・レシピ集。よくできているのだが、これがドイツ語のみ。データはネットから取ってくるようだ。