なんだか近ごろ iPhone 専門のブログみたいになっているけれど、まあ、それだけ、面白いし使いでがあるということです。
iPhone の日本での売れ行きは期待されたほど伸びていない、失速している、ってなことが言われていて、他方で、それはまだ早計だという見解もネットのあちらこちらで表明されている。ぼくも後者の考えだ。
出た当初は本当に不安定でよく固まったが、iPhone OS 2.1 で、そのへんは劇的に改善され、安定した。
発売初日に行列してまで入手する熱狂的なアーリー・アダプターや、その次の次ぐらいのところに位置するぼくのような人間は、一通り iPhone を手にしたところだろう。そこで一息ついているのが今の状況で、そしてそういう人間が周囲に iPhone を見せて回って、あ、自分も使ってみようかな、という人々がじわじわと増えてきているというところだろう。(現に、ぼくも周囲の人たちから、iPhone を使いたいのだが、という相談を受けることが増えてきた。)これを失速と呼ぶのは拙速だろう。ケータイのようでケータイでない iPhone は、それで何ができるか、それを使うことがどう楽しく便利なのか、実際に見たり触れたりしないかぎりは、分かったようで分からない。(この点、PC のようで PC でない Mac と完全にパラレルだ。)
iPhone を使うということがどういう「体験」なのか、少し古い(なにしろ iPhone の進化は速いので)が、たとえば TidBITS のこの記事(筆者はフランス在住のアメリカ人)が、軽妙にバランスよく描いている。
ここで改めて、無料あるいは比較的安価なアプリを付け加えた上でできることも含めて、iPhone でできることを思いつくままに並べてみよう。
RSSリーダで日々の様々な分野のニュースをささっとチェックする。即座に天気予報や株価を見る。ケータイサイトではないあらゆる web に気軽にアクセスする。To Do 項目を軽快に管理する。受信メールに添付されたワードだのエクセルだのPDF だのの書類をその場でさっと見る。GPS 機能を使って、現在地を Google Map で小気味よいアニメーションとともに確認したり、自分が歩いてきた山のコースをさっと地図上に表示する。夫婦で買い物メモをシンクする。「電子辞書」よりも美しい画面で英和辞典、独英辞典、独独辞典、タイ語英語辞典、あるいは各国語版の Wikipedia などなどをさっと引く。加速度センサとタップ操作で各種のゲームに興じる。自分の蔵書リストを持ち歩く。持ち歩きたい書類を iPhone に取り込んで、あるいはネット上に置いて、いつでもどこでも見られるようにする。電卓、タイマー、ストップウォッチ代わりにする。各種SNSに専用アプリでアクセスする。各種IMサービスでテキストチャットをする。フラッシュカードなど様々なアプリで日課として外国語学習を行なう。海外に VoIP で電話をする。メトロノームやチューナーとして使う。ノートパソコンのワイヤレステンキーとして使う。時刻と場所に自動的に合った星空を映し出してくれる、掌のプラネタリウムとして(実際の星空を見ながら)使う。世界各地の3Dパノラマ画像を指先でぐりぐり動かして観賞する。iTunes のリモートコントローラーとして使う。VNC で Mac や PC にアクセスし、操作する。日本語英語のみならず、ドイツ語フランス語スペイン語タイ語中国語など、無数の言語を読み書きする。即興で手描きのパラパラアニメを作って遊ぶ。写真に落書きしたり、モーフィングをかけて遊ぶ。ボイスメモとして使う。各種写真共有サービスに簡単に写真をアップロードする。世界中の人々とネットで囲碁対戦をする。まだまだいくらでもありそうだが…そうそう、メールの送受信はもちろん、そういえば音楽やPodcastingを聴くことも動画を見ることも、なんと電話をすることもできるのだった。
(iPhone で何ができるか、もう少し Life Hack 的にスジの通ったような記述は、小山龍介さんの『iPhone HACKS! 楽しんで成果を上げるハイセンス仕事術』で読める。)
もちろん、そこらのケータイでできることも含まれている。肝心なのはそれが〈どのように〉できるかなのだが…。とっても「進化」した日本のケータイに比べて、iPhone ができないことが、よく列挙されたりするわけだが、iPhone にできてケータイにできないことのほうが、公平に見て、はるかに多いと言うべきではないか。なにより、iPhone は進化するし、現にしているということだ。
MacRumors がiPhone 2.2 Includes Hidden Japanese Emoji Icons という記事を出している。日本のケータイで使われる絵文字が iPhone では使えないことなど、ぼくはどうでもいいと思っていたのだが、業界のエラい人も iPhone の決定的な欠点の一つとして挙げていらっしゃる。(現状で、どうしても絵文字を表示させたければ、ケータイメールは Gmail に転送して、Safari から読めばよい。自分から絵文字メールを送りたければ、こんなツールを作ってくださっている方もある。)それが、iPhone OS の次期バージョンではどうやら使えるようになるらしい。(同時に、Google マップの Street View が使えるようになるとか、欧文入力の際のコートコレクトがオフにできるようになるとかいった噂が出ている。)
面白いのは、MacRumors のこの記事に寄せられたコメントだ。「クールだ! これ、日本のユーザ専用ではないだろうな、自分も使いたい!」という書き込みが圧倒的多数を占めているのだ。この絵文字の件が本当だとすると、どうやら皮肉なことに、日本のケータイが誇る絵文字を世界に広める役割を担うのは、それが使えないということでこき下ろされていた iPhone だということになりそうだ。絵文字がそれほど素晴らしいものならば、そしてどうも海外でも「需要」がありそうなのに、なぜ関係者各位はそれを海外に広めることができなかったのだろうか。
Softbank は企業ユースにも積極的な売り込みをかけていて、先日まず某US系コンサルティング会社が1000台採用したという。そんな動きも含めて、iPhone はこれからがますます面白い。
Twitter