ぼくも料理はたまにするのですが、レパートリーは非常に狭く、レシピのお世話になることが多い。いまはネットで面白そう・美味しそうなレシピがさっと引っぱり出せるので有難いことです。
結構重宝するのが、ボブとアンジー レシピ検索。PC 用サイトもあるけれども、この iPhone / iPod touch 用に最適化されたサイトが見やすく使いやすい。オフラインで読めるようにセーブしておける機能もあるし、また材料や手順にはチェックボックスが付いていて、買い出しのときにリストとして使ったり、料理の進み具合をチェックしていくことができるようになっており、隅々までよく作り込まれています。
Yahoo! 内のレシピ検索も、Yahoo! の他のサービス同様、iPhone / iPod touch に対応している。ここは、同じ URL で、iPhone / iPod touch でアクセスすると、自動的に専用のデザインで表示する。ただし検索をかけると、その先は通常の PC 用サイトになってしまう。まあ、そうであっても iPhone で見るのに特に問題はないのですが。
今回お世話になったのは、フランス生活情報 フランスニュースダイジェストにある「かんたんレシピ」。ここも特に iPhone 対応ではありません。
タイム、セージ、ローズマリーあたりはベランダにも生やしてあって、ウチの料理の定番の味付けになっている。ところが、タラゴンは、以前、スロヴェニアの話で、タラゴン入りロールケーキのことを書きましたが、料理としては、香りは好きなんだけれども、どうも本格的なフレンチをやらないと使えないような印象があります。で、上記サイトに出ていたのが、鶏肉のエストラゴンソース。日本でふつう英語名でタラゴンと呼ばれるこの草がフランス語ではエストラゴン(前に書いたようにスロヴェニアではペヒトラン)。タラゴンのことを言うのにベケットの話から入るあたりがフランス専門サイトらしい感じです。
このレシピで「グゼール酢」と書かれているのは、ちょっと何だろうと思いました。要するにシェリー酒のヴィネガーのことらしい。スペインのヘレス Jeres 地方の白ワイン。英語訛りだとシェリー sherry になるわけです。そのフランス名 xérès は、ロワイヤル仏和辞典によればグゼレス、ケレス、クセレスなどと、リトレによればケレスと、発音するようですが、グゼールという表記がどこから出てきたのかは分かりません。後ろの e にもアクサン・グラーヴが付いているわけで、発音されないことはないだろう。面白いことに、「グゼール酢」で Google で検索すると、唯一ヒットするのが、当のこのレシピページ。唯一なのです。柴田書店の「料理百科事典」サイトでは、ケレスという表記で出てきます。
ええと、それはちょっと余談。で、実際に作ってみたメモ。レシピと同じ、4人分です。
いつもはキュウリなどといっしょに味噌を付けて丸かじりする以外に食べ方を知らなかったエシャロットをみじん切りにして、炒めます。4人分で1個と書いてあるのですが、かなり増やしてもよさそうです。わりあいすぐに水を注いでしまったのですが、アメ色とは言わないまでも、もう少し炒めておいてもよかったかもしれません。
「水、またはとりがらスープ」。水をどぼどぼフライパンに注いで、顆粒のとりがらスープのもとを適当に振り入れました。ただ、1500cc というのは少し多すぎる気がしたので、1000cc くらいにしたかな。できあがってみて、さらにもう少し減らしてもよかったかもしれないと思いました。この分量だと、一種のクリームシチューのような風情になってしまいます。
ワインビネガーと書いてあるのは、当然白ワインのビネガーでしょう。「グゼール酢」とともに、「コーヒースプーン2杯」と書いてあるのですが、ここらへん、すべて目分量というか瓶から直接いいかげんに注いだので多すぎたらしく、仕上がりは子どもたちには酸っぱい、酸っぱいと不評でした。家人はこの暑い季節にはこれくらいの酸味がちょうどいい、と言っておりましたが。今回、あらゆる分量を適当にやってしまいました。
シブレットというのは、これも英語名でチャイブと呼ばれることの多い、西洋わけぎ。こいつもベランダに生やしてあったのを取ってきて刻みます。エストラゴンは、葉っぱをむしって使います。
鶏肉は、他の部位でもよさそうですが、このレシピ通りに一切炒めることなく煮込むだけですんでしまうのは、ささ身だからこそでしょう。
生クリームは200cc のパックを丸ごとどぼどぼ。この生クリームのモノによって、相当仕上がりの味が違ってきそうです。
コニャックも適当にどぼどぼと。この料理のために、箱に入っているような酒を、久し振りに買いました。残りは飲料としていずれ順調に消費されていくことでしょう。
出来上がりは上々。付け合わせはサヤインゲンとマイタケとコーンのバター炒め(これは家人の担当)。ボルドーの安い白ワインが結構合いました。出来てすぐがつがつと食べてしまったので、写真はなし。上の画像は、もとのサイトから拝借したものです。タラゴンがふわりと香る。子どもたちも、酸っぱいことには文句を言いつつ、それ以外はいいとかなんとか言って、食べておりました。タラゴンを使うレパートリー、今後も増やしていきたいものです。
ところで、チャイブやタイムやセージやローズマリーは丈夫で栽培しやすく、上に書いたように、ベランダに生やしてあってよく使うのですが、タラゴンは今回スーパーで購入。タラゴンは栽培が難しいという印象があります。何度も挑戦しては枯らしてしまう。しかしちょうど今、この夏に布引で買って植えてあった苗が(また)枯れかけたと思ったら、その下の土から3本ほどの新芽が顔を出してきています。今回の料理に使うには間に合わなかったのですが、今度こそは大きく育ってくれればと思います。好きなんですよ、タラゴン。ペヒトランカも作りたいし。
大昔、まだハーブ類のことをよく知らなかった頃、アルルのレストランで、ラタトゥイユが出た。ギャルソンに、これ、いい香りだね、何が入っているの? と訊ねると、厨房で訊いてきます! と言って引っ込んだ。その後、支配人と何か話している最中に、後ろから耳元で、「エストラゴンが入ってました!」と叫ばれたときにはちょっとびっくりしたのでした。そうだよな、タラゴン入りのラタトゥイユも、そのうち試してみよう。(しかし、厨房まで訊きに行かなければ分からなかったのか、あのギャルソンは。)
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