単語集と ProVoc と iPod

外国語学習のある段階でまとめて語彙を増やす、つまり単語集で詰め込むのが有効なことは言うまでもない。で、そういう単語集は(まあ言語にもよるが)世にあふれているわけで、書店で手に取ってみて気に入ったものを使えばいいのだが、最近あらためて見てみて、比較的初期の段階の「まとめ覚え」には案外このシンプルさがいいかなと思ったのが語研の『基本単語2000』シリーズ。(たとえば『聴いて,話すためのフランス語基本単語2000』。22カ国語を揃えているが、残念ながらスロヴェニア語はない。)

このシリーズが案外いいかなと思ったのは、ほとんど例文がないことだ。と言うと、えっと思われる方もあるかもしれない。たしかに、どの言語であれ、少なからぬ単語は、その的確な用法を、例文に接することなしに理解することはむずかしい。しかし的確な用法やニュアンスを理解することは、こうした単語集の役目ではないのだとも言える。まとめてひたすら語彙を増やしていくときに、むしろ中途半端な用例や詳細な注釈は邪魔になるのではないだろうか。単純な単語なら例文を付けるまでもない。微妙な単語なら、一つ二つの例文ではどのみち片付かない。その例文が気の利かない退屈なものだったりすれば、目も当てられない。用法やニュアンスの使い分けは、ここで問題にしているような「まとめ覚え」とは別に練習すればいいし、するべきなのだ。

このシンプルな単語集の基本的な使い方は、たとえばこんな感じ。見開き2ページで、20数個の単語からなる項目80あまりに分かれているから、週に5日、毎日3項目60数語ずつこなしていけば、1ヶ月あまりで一巡する。2項目ずつなら2ヶ月だ。(週あたり5日としたのは必要な限定だ。予定通りに消化できなかった場合のための予備日をとっておくべきなのだ。)
右側のページは無視する。日本語訳を見ながら左側の単語を見て、口を動かして、上から下まで行き、次に日本語だけを見て、すぐに左の単語が浮かぶかどうかをチェックする。

音声も用意されている。CD付きの本を買ってもいいが、出版社のサイトでは mp3 形式のファイルのダウンロード販売もやっている(これも注目すべき点だ。アルクの「キクタン」シリーズは iTunes Store でも音声ファイルを購入できるが、どのみち書籍はCD付きでなければ購入できないし、何より英語しかない)。書籍のみと mp3 ダウンロードの組み合わせのほうが割安だ。どちらにしても、まるごと iPod に入れて、毎日その日に消化することを予定している分をささっと On-the-go のプレイリストにして、ループで回そう。

ただテキストを眺めて、口を動かして、というルーティン練習を行っていくためには、それなりの集中力と慣れが必要だ。それだけでは不安だったり、時間が十分に取れる場合には、フラッシュカードタイプのソフトを併せ使えばいい。以前 UniLingua を紹介したことがあるが、最近気に入っているのは ProVoc。UniLingua よりも高機能な部分も多いし、何よりフリーだ。

ProVoc と iPod のことにはいずれ改めて触れるとして、『基本単語2000』シリーズに話を戻すと、これには『基本単語プラス2000』シリーズという続編があって、これもよいかなと思わせる点だ。合計4000。4000語というのは、まあまあ使えるかなと言える語彙数の下限だ。しかし残念なことに、『基本単語プラス2000語』にはまだ英語、中国語、韓国語しかない。

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