地形模型

小学生の頃、たしかニッチといったかな、そういうメーカーの地形模型作成セットでいくつか作った。厚手のボール紙に等高線が描かれていて、それを彫刻刀で切り抜いて順に貼り重ねていくもの。夏休み前のデパートなんかで売っていて、必ずしも入手しやすくはなく、ネットなどなかった当時、手紙でまとめて注文・購入したような記憶もある。そのことをふと思い出してネット上で探してみたけれど、どうやら今は消えているみたいだ。

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六甲山の1:100000模型

(もちろんそういう商品でなくても、たとえば自分で1/25000地形図をコピーして白ボール紙に貼って作ればいいので、そういうことをしたこともある。そういえば、カメラ屋や文具店などにおいてあった当時のコピー機で作ったコピーは、ジアゾ式といったっけ、独特の臭気があったなあ。)

そのかわりに、現在はニシムラ精密地形模型というところが同様の工作セットを出していることが分かった。それでオンラインで注文して作ってみたのが画像の六甲山。素材はボール紙のかわりにスチレンボード。彫刻刀ではなくてカッターナイフの使用が指示されている。切り抜いて、ボンドで貼り重ねていく。かつてのものと違って、最初から標高によって彩色されている。

トシのせいで、眼鏡をかけたままだとこういう作業が少々辛くなってきた。眼鏡をはずして、カッターナイフや彫刻刀を持った手に顔を近づけて作業しているザマは、まるで棟方志功だ。わだばゴッホになる! やれやれ。(いや、棟方志功はもちろん不世出の芸術家だったけれど、この格好は決してよくないでしょ。で、今作業中の僕が似ているのはその格好だけなんだから。)

六甲山の見える土地に移ってきてすでに十年余り。水が汚ねえ、上は車ばかりじゃねえか、堰堤が多すぎる、などと文句を言いながらも、なんと言ってもウチから近いし、山らしい道を求めて自分の脚でもちょこちょこ歩いてきた。だが、いまひとつ地形がつかめない。いつも使っている昭文社の登山地図は、あまり美しいとは言えない陰影がほどこされていて、等高線がよく読めない。国土地理院の地形図を見ればいいのだけれど、なんだか惰性で登山地図ばかり使ってきた。それで、地形がよく分かっていなくて、住まいから眺める六甲も、どれがどのピークなんだか、あまり正確に分かっていなかったのだ。

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芦屋地獄谷

さすがに家のベランダからの眺めと模型とを見比べると、よく分かりましたね。手前のゴロゴロ岳から荒地山にかけての稜線の後ろに、主脈がかすかに覗いている状態を、作った模型の横から眺めて確かめる。そもそも荒地山が見えているのだということもはじめて認識した。後ろに覗いているピークの一つが西お多福山らしいことには、醜悪な鉄塔から気づいていた。ウチから一番近い甲山は、1:100000模型では、ポチっと吹き出たニキビのようだ(実際あれは溶岩でできたニキビだけど)。他にも、摩耶山のロープウェイとケーブルがどう架かっているのかもよく分かった。

先日、夏の終わり、子連れで、芦屋地獄谷を風吹岩まで遡行してきた。そのときのコースも、あとで、模型上で子どもと確認した。

え、Google Earth を使えばいいって? あれも楽しいけれど、やっぱり自分で作るのは違います。

# 追記: これを書いてから国土地理院のサイトに行ってみたら、二万五千分の一地図のオンライン無料閲覧サービスを「試験的に」始めていた。「立体視サービス」なるものもやっていて、一瞬、俯瞰図かなと思ったら、小さな範囲の地図を微妙にずらしたもの2枚を同時に見るやつ。近ごろ「目が良くなる」というウリではやっている立体視そのものだった。目は良くなりそうな気がするが、なんだかなあ。

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