サッカー・ワールドカップやら「日本におけるドイツ年」やらで、一般向けのドイツ関連の本が少し増えているようだ。そんな中からたまたま目にとまったもの。
ドイチュラント ドイツあれこれおしながき
輸入雑貨店の店頭で見つけて手に取った。つまりそういう店に似あう本。著者のアンテナにひっかかったものを並べた、目一杯偏ったドイツ紹介。それがそれで面白い。5年前ドイツで暮らし始めたとき自分とドイツを結ぶものと言えば「ケストナーだけ」だったという著者、「いつも〈今日はどんな切り口でこの国をこの街を味わおう〉かと考える。喫茶店のメニューを眺めるときのあのわくわく感がたまらなく好きだから、同じように書き並べてみた。ドイツの魅力的なあれこれを」、という冒頭の文句にこの本のコンセプトが要約されている。ベルリンのカフェ、ベルリンの熊たち、カール・マルクス・アレー、ベルリンの書店、ドレスデンのケストナー博物館、E. O. プラウエンの『おとうさんとぼく』、ドイツの古本、ドイツのレコード、ザントマン、ニュルンベルクのクリスマスの市、犬の街ベルリン、エーリヒ・メンデルスゾーンの建築、ベルリンの蚤の市、などなど。写真などのグラフィックが美しく、いっぱいに開いて見たい本なのに、製本が粗末で、ページがばらけやすいのが難点。なお、65ページの、ビリー・ワイルダーが1954年版の『エーミールと探偵たち』を監督したというのは誤りだろう。前のエントリで触れたが、31年版の脚本を書き、54年版にはそのまま台本作家として名前がクレジットされているだけだ。監督はいずれも別の人物。
ゲルマンQ―ドイツ語初心者向け雑学クイズ
新書サイズで黒赤黄の思いきりキッチュなカバーデザイン。「日本におけるドイツ年 2005/2006」参加作品、だそうだ。要するに外来語として何らかの形で日本に入っているドイツ語の単語を主なネタに、260あまりのミニ・クイズに仕立てたもの。知るということが未知のものを既知のものに還元していくことだとするならば、謳い文句通り、「ドイツ語初心者」の語彙学習にはこの本は確かにプラスになるだろう。いや、僕が気がついていなかったものもいくつかあった。
帯に引用された「この本を読んでみるとドイツ語が頭の中に入りやすい気がしました」という高原直泰の文句が微妙に正直でいい。「気がしました」…。
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