ベルンの奇跡

今朝の毎日新聞は、11面にわたって「日本におけるドイツ年 2005-2006」の特集を組んでいる。その第1面に久米宏のコメントがあって、この映画に触れている。(「ベル〈リ〉ンの奇跡」となっているのはおそらく編集側の勘違いだろう。)近々日本でも公開されるらしい。

昨年のベルリン映画祭でファティフ・アキンの『壁に向かって』が金熊賞を取ったとき、銀熊賞になったのが、ゼンケ・ヴォルトマン監督の『ベルンの奇跡』 “Das Wunder von Bern” だった。

das_wunder_von_bern.jpg←ドイツ語版DVD。PAL方式なので、日本の家電DVDプレイヤーでは再生できない。

1954年、スイスのベルンで行われたワールドカップで、西ドイツが奇跡的な逆転優勝を果たした実話に基づいた物語。
久米宏が言っているように、「サッカーファン必見」、サッカーファンにはたまらない、のだろうけれど、映画的にはたいした作品だとは思えない。10年間ソ連に抑留されていて、ようやく帰還してきた父親と、その息子の物語が絡められているのだが、なんとも中途半端に終わっている。父親役のペーター・ローマイヤーに顔つきが似ているだけで採用されたのではないかと思われる子役のルイス・クラムロートにまるで魅力がないのも致命的だ。とってつけたような紅一点である記者の妻の役、カタリーナ・ヴァッカーナーゲルもまるで浮いている(まったく必然性のない、ドラえもん的サービスカット?の入浴シーンまである。B級作品の証し)。

強いて言えば、「戦後ドイツ」の状況や空気を伝えることには、ある程度成功しているようだ。重苦しく辛い時代状況のなかで、この54年のワールドカップ優勝がどれほどドイツ人たちを高揚させたかということも理解できる。

しかし、これが銀熊賞を受賞し、観客動員数も相当なものだったということは、なんと言っても一つのことを示していると思う。ドイツ人はサッカーが好きだ、ということだ。

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