二上山雌岳・屯鶴峯

年末にずっと調子が悪くて山に行けず、そうなると回復してもサッと出かける機動力が失われる。そんなわけで、2月初旬、ようやくほぼ2ヶ月ぶり、今年の初山歩きに行った。リハビリみたいなものだからと、規模の小さめな二上山を選んだのだが…。

まず天王寺で降りるべきところ、間違えて一つ前の新今宮で降りてしまった。改札を出る前に気付き、ホームに戻って次の電車に乗った。これで15分のロス。天王寺から近鉄阿部野橋駅への移動でもちょっと戸惑った。どうも大阪南部は苦手だ。

二上山にじょうざん

当麻寺駅で降りて、當麻寺を目指す。古い街道の面影のある道で、途中ぽつりぽつりと、柿の葉寿司の店や土産物屋がある。おにぎりを用意していなかったなら、ここで柿の葉寿司を買って山の上で食べてもよかったかもしれない。土産に草だんごを買った。

當麻寺参道の蕎麦屋
當麻寺参道の食事処

當麻寺の境内を通り抜け、

當麻寺の日本最古という鐘楼。背後は二上山。
當麻寺の日本最古という鐘楼。背後は二上山。

まだまだ延々と舗装道路を歩く。

傘堂
傘堂

左甚五郎作という傘堂を見て、大池畔を通り、

大池からの二上山。
大池からの二上山。

ショートカットして橋の下の細い道から直接園地に入ったら、そこらじゅうが湿地だった。抜け出て、なおも山間の舗装道路を歩き、

祐泉寺手前の石仏。
祐泉寺手前の石仏。

普通の民家にしか見えない祐泉寺の前で、左に、岩屋への山道に入る。

岩屋への登山道。最初だけ木道が敷かれている。
岩屋への登山道。最初だけ木道が敷かれている。

小沢に沿っていて、全体に湿っぽい道だが、せせらぎが心地よい。途中水場が二箇所ある。

水場。
水場。

道沿いには、フユイチゴが多い。残念ながら実はほとんど終わっていた。一月にこの実目当てにこの道を歩くのもいいかもしれない。

フユイチゴ。
フユイチゴ。

平日だが、ちらほら歩いている人がいる。おっさんの約半数はラジオをかけていた。このへんにクマはいないだろうから、うるさいだけである。岩屋峠まで来ると、乾いた道になる。ちょっと下ったところにある岩屋を一応見学して戻り、

岩屋。
岩屋。
倒れた千年杉。
倒れた千年杉。

二上山雌岳への登りにかかる。急斜面のつづら折れの道だが、距離はさほどない。中程で植林帯を抜け出ると、南側の展望が開け、葛城山・金剛山の連なり、重なりあった姿が美しい。15分ほどで山頂に着いた。

二上山山頂。
二上山山頂。

北に、この雌岳より少し高い雄岳が見える。巨大な日時計を通り抜け、奈良盆地を挟んで遠く見えている三峰山、高見山方面の山々を眺めながら、おにぎりを食べる。リハビリモードなので山めし調理は省略。

二上山から奈良方面の眺め。
二上山から奈良方面の眺め。
山頂。右奥は葛城山・金剛山。
山頂。右奥は葛城山・金剛山。

雌岳山頂から北に下るとすぐに「馬の背」。トイレ、売店(平日は閉まっている)の向こうに雄岳がそびえているが、今日はそちらには向かわない。左へ、水平道をとる。

馬の背。向こうは二上山雄岳。
馬の背。向こうは二上山雄岳。
太子町が設置した看板。景観的には特に感心はしない。
太子町が設置した看板。景観的には特に感心はしない。

ちょっとした急坂があり、そこにはコンクリートが流し込まれている。それを下りきると、すぐ右に、ダイトレ道が分岐する。

ダイトレ分岐。ここを右へ。
ダイトレ分岐。ここを右へ。

ここまでは、病み上がりではないにしても、ブランクの後にしては快調だったと言えるだろう。その先に問題があった。ふつう、下山路には、太子町に出る道をとるものなのだろうと思われる。ところが今回も、岡弘俊己氏(『関西日帰りの山ベスト100』)のちょっとひねったというかひねくれたコース取りに従うことにした。ダイトレを、その起点までたどる尾根道だ。屯鶴峯というのも見てみたいと思った。

ダイトレ道

しかしこのダイトレ道、かなり急で長い斜面の丸太階段下りが延々と続くのだ。

どこまでも続く丸太階段。
どこまでも続く丸太階段。

途中、高圧線の鉄塔のあたりから二上山を振り返る。

二上山を振り返る。
二上山を振り返る。

500メートル足らずの二上山からの下りなのに、どれだけ下るのか、地底に達してしまうではないかと思いつつ、さらに階段を下って、いい加減うんざりし始める頃、次の鉄塔が目に入る。これまでは下り一方だったが、ここからまた登りだ。鉄塔は尾根上の小さなピークの上にあり、そこまで階段道を登らなければならない。これまで北西に向かってひたすら降りてきたダイトレ道の尾根は、ここから北寄りに向きを変える。そしてここから先の尾根には幾つものコブがあり、登山道はそれらのコブをすべて律儀に越えていく。丸太階段の急下りが続き、それから丸太階段の登りがあり、さらに急下り… その連続。もう膝は微笑を超えて破顔しかけている。ようやく道が尾根を離れて左に下り、間もなく車道に出る。「ダイトレ入口」だ。ここから逆に登り始めて、槇尾山まで行ったら、確実に死ぬ。

ダイトレ北入口。トラ縞フェンスが醜い。
ダイトレ北入口。トラ縞フェンスが醜い。

屯鶴峯どんづるぼう

すでにヘロヘロな状態で、かなり交通量の多い道を右へ。周囲の斜面を覆っているビニールハウスのようなもの、いちご畑かと思ったが、葡萄畑らしい。

ブドウ畑。
ブドウ畑。

近鉄南大阪線の上を通る橋を渡って少し行くと、屯鶴峯の巨大な看板があった。

屯鶴峯入口。
屯鶴峯入口。

一応公園の体裁になっているらしく、幅広いコンクリート階段をひとしきり登ると屯鶴峯の灰色の岩場に着く。

屯鶴峯。
屯鶴峯。

nijozan - 23 nijozan - 24 nijozan - 25

公園っぽいのは入口の階段だけで、当の岩場から先は何も手が入れられていないようだった。それはそれでいいのだが、ここから関屋方面に抜ける道がわからない。岡弘氏の記述はまことにそっけなく、「テープを頼りに尾根筋を北方向に歩き、谷筋に降って東に進むと国道165号に出る」とのみ。いや、ありがたいことに「アドバイス」として、「屯鶴峯は道標が整備されていない。進む先が不安になったら、無理をせずに引き返して二上山駅へ向かうのが賢明」と書いてくださっている。いいからわかるように書けよ。岩場の裏手、西側を北に向かうかなりはっきりした道があった。そこには、「行き止まり/危険/香芝市」と書かれた札が下がっているのだが、踏み跡は続いている。辿ってみることにした。

踏み跡をたどる。
踏み跡をたどる。
もう一度二上山を振り返る。
もう一度二上山を振り返る。

しばらくは尾根道だ。周りにはシダや松が生えて、屯鶴峯らしい岩はあまり目立たない。あくまでもはっきりした道は、そのうち谷に下り始める。ところどころ、ルートを示す銀色のテープが巻いてある。赤や黄のビニールテープはよくあるが、銀色というのは斬新だ。

銀色のテープ。
銀色のテープ。

下り切ると、岩屋が唐突に現れる。防空壕の跡らしい。

防空壕跡。
防空壕跡。

谷底には、屯鶴峯の岩質そのままの、灰色の川床の細い流れがある。

灰色の小川。
灰色の小川。

少々笹がかぶってはいるものの、踏み跡は続いている。灰色の流れを渡り、右岸の道になる。笹やぶはどんどんひどくなる。そのうち、笹が枯れススキに変わって、視界が開けた。ここまで、行き止まりでも危険でもなかった。

ススキ原。
ススキ原。

と思ったら、その先はまた笹やぶになった。すぐ向こうから、車の音が聞こえる。ちょっとした広場みたいなところがあって、しかしそこで踏み跡は途絶えた。少なくとも見失った。しかしすぐ前方に、165号線を走る多数の車の姿すら見えている。笹やぶをかき分けてさらに進む。地面はじくじくしている。ところが、車道とこちらとの間には、両岸が垂直な石垣になった市街地によくあるタイプの川が横たわっている。すぐそこの車道に向かって直進しても、この川を渡り、向こうに這い上がるのは難儀な様子だった。FieldAccesアプリのGPS付き地形図を改めて見直すと、西側に林道が伸びている。再び笹やぶをかき分けて戻り、すぐそばに林道が走っていると思われる方向に進むと、なんとか脱出できた。

林道に出た。
林道に出た。

林道から165号線に出るところは緑色の金網フェンスが塞いでいたが、脇を回ると簡単に出られた。

迷走の敗因はいくつかあるが、地形図を見るのが遅れたことが一つ。二上山は昭文社の「山と高原地図 金剛・葛城」に含まれているので、当初はそれだけを見ていた。しかしこの登山地図は、ダイトレ北入口までは記しているものの、屯鶴峯には何の道も書かれていない。また屯鶴峯の北は地図の端で切れている。そもそもの縮尺からして、微細な地形はわからない。

よくよく見ると、屯鶴峯は南端の入口から、北に向かってほぼ平行に二つの尾根が伸びている。僕が踏み跡を頼りに踏み込んでしまったのは、西の尾根だった。岡弘氏のガイドブックの、さらに粗い地図を見ると、東の尾根を154mピークまで辿り、そこから東に下りているように見える。地形図も、そちらの尾根に破線を描いている。

後でネットで調べると、こちらのサイトには、関屋駅を起点とした逆コースだが、岡弘氏が書いているのと重なると思われるルートは「通行止め」だとあり、車道を迂回している。こちらのサイトでは、東の尾根をたどった後、西に下り、僕が出たのと同じ谷に下りている。そして僕が林道に無理やり出たのよりも200mほど手前で、西へ向かい、無事に林道に出ている。実はこれも地形図にある破線の通りなのだった。ということは、どちらの尾根を辿るにしても、谷底から林道に出る道を見失ったのが「分かれ道」だったことになる。多分あのススキ原のあたりだろう。そしてこの方は、車道に出てから、香芝市のプールには向かわず、左へ、まっすぐ北へ歩いている。今回車道に出たところから関屋駅に向かうには、確かにその方が、距離的にも、おそらく下り一方な点でも、賢明だった。

二上山自体はメジャーな山なわけで、そのイメージに惑わされて、屯鶴峯付近の事前リサーチを怠ったのは、いずれにせよ失敗だった。

僕は車道に出てから、とにかくガイドブックにある通り、「市民プール」を目指した。再び交通量の多い道路を右に500mほども歩くと、左に市民プール入口があった。幅広い道路の入口には車止めがある。これも地形図を見ていれば気が付いたはずのことだが、そこからは緩やかではあるものの、舗装道路の登りで、ここまで歩いてきた足にはこたえる。晴実台の住宅地を越え、ガイドブック通りに大阪樟蔭女子大を目指す。ところが樟蔭はもう一つの丘の上。もう勘弁して欲しいと思い、細い間道があったので、左の住宅地に下り、そちらを通って関屋駅に向かう。遮断機の中にまで階段のある踏切を越え、右に200mで関屋駅。

近鉄大阪線の踏切。
近鉄大阪線の踏切。
本日の迷走部分。
本日の迷走部分。

当初の目論見では関屋駅から下り方向に一駅、二上駅で降りて、15:57の送迎バスで「かしば・屯鶴峯温泉」に行ってみようと考えていたのだが、時間が遅くなった。おとなしく上り列車に乗って、帰宅。

神戸市北区ハイキング・レクリエーションガイド&マップ

六甲山地の北側に横たわる丹生山系のことを調べようと思った。阪神間のウチからは近いのに、まだ行ったことがない。帝釈山あたりのコースは「関西の山××選」系のガイドブックに散発的に紹介されているが、この山地についてのまとまった情報はあまり目につかない。

丹生山系は六甲山地の北側部分とともに、ほぼすっぽり神戸市北区に入っている。北区は東は有馬を含み、西は三木市に接する広大な区なのだ。その北区が、「北区ハイキング・レクリエーションガイド&マップ」なるものを発行、配布していることをつい最近知った。神戸市のこのページ。このページに記されているURLはすでに切れている。早速、北区まちづくり推進課に電話 (078-593-1111代)して、郵送してもらう。月曜に依頼して、火曜には着いた。素早い対応。資料自体は無料で、ゆうメールでの送料のみ着払いになる。二百数十円だった。

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資料は32のコースを紹介する76ページの冊子と、大判の地図一枚からなる。ガイドパンフの方は、上記のようにURLは切れているとはいえ、北区のサイトを掘ればどこかにまだあるのかもしれないが、この地図が貴重だと感じた。注記によれば、「神戸市都市計画局が平成8年(1996年)に作成した地形図」に、ガイドパンフが紹介するコースを赤いラインで載せた登山地図タイプ。メインの地図は1/25000、いくつもの詳細部分図は概ね1/10000となっている。2012年の発行で、編集は神鉄コミュニケーションズ。コースの1/3ほどは六甲で、これは他からもいくらでも情報が得られるが、残りの大半が、丹生山系とその周辺のコースだ。丹生山系からは外れるが、先日行って記事にした百丈岩も含まれている。もっとも、鎌倉峡には、一般向けではないと判断したのか、踏み込んでいない。

これを最初の手がかりに、今後あのあたりを歩いてみようと思う。残部僅少なようなので、ご関心の向きはお早めに。

金山谷から岩湧山 (897m)

岩湧山といえば、関西ではメジャーな山の一つだ。和泉山脈の東の雄であり、ダイヤモンドトレイルのルートであり、関西百名山、そして岩崎元郎の新日本百名山にも入っている。けれど、まだ行ったことがなかった。東西に縦走するだけではあまり面白くなさそう。「紀見峠」駅に下山して、紀伊見荘で入浴、というのを狙っていたのだが、紀伊見荘は日帰り入浴を廃してしまったらしい。ならばそちらに下る意味もない。

新刊のガイドブック『山歩き安全マップ西日本2 ステップアップ六甲・金剛・比良・京都北山』JTBパブリッシング、2015 (Kindle版、紙版あり)が、少し面白そうなコースを紹介していた。滝畑ダムの手前、滝尻から歩き始めて、横谷川沿いの林道を歩き、金山谷中流域の沢筋を辿る。そのあと、岩湧寺に出るのはまた林道づたい、岩湧寺からは「きゅうざかの道」で一気に岩湧山の稜線へ。下りはダイヤモンドトレイルを滝畑へ。最初と途中、やや車道歩き、舗装道路歩きが長そうなのが難点だなあとは思ったが、行ってみることにした。(その後、すでに『改訂版 大阪府の山』 (新・分県登山ガイド 改訂版) 山と渓谷社、2010 が同じコースで岩湧山を紹介しているのを知った。同じ執筆者によるものらしい。)

河内長野駅前、7番のりばから、9:04の日野・滝畑コミュニティバスで35分、滝尻へ。コミュニティバスとは言っても、南海が運行するフルサイズのバスだ。南海バスは、最近ICカードが使えるようになって、感激ものだが、このバスでも利用可。

滝尻からの道は、山里の人家をかすめてまずは南西にまっすぐ向かう。

バス停から坂を上がり、鋭角に戻るように右に入る。
バス停から坂を上がり、鋭角に戻るように右に入る。
しばらくはこんな道。
しばらくはこんな道。

林道は尾根を回り込んで横谷川沿いになる。

途中、右に「サルの前栽」への踏み跡がある。
途中、右に「サルの前栽」への踏み跡がある。

最後の人家を見送って、「横谷分岐」で左に、支流の金山谷沿いの林道に入る。

横谷分岐。左が金山谷への道。
横谷分岐。左が金山谷への道。
未舗装の林道。
未舗装の林道。

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ここからは未舗装。一徳防山に向かう扇畑谷の道を左に見て、しばらく進むと、林道は切れ、沢沿いの山道になる。そのまま沢に並行する踏み跡もあったようだが、概ね沢筋を忠実に辿った。そのため、横谷分岐から布引の滝まで、ガイドには1時間とあるところ、1時間40分もかかってしまった。しかし水量は多くないし、大きな滝場はないし、普段の軽登山靴で問題ない。

沢に入る。
沢に入る。
支流の一つ。金剛山丸滝谷の丸滝に似ている。
支流の一つ。金剛山丸滝谷の丸滝に似ている。
へつりの部分が多い。
へつりの部分が多い。
この小滝は水流に沿って登る。
この小滝は水流に沿って登る。
布引滝へという道標。
布引滝へという道標。

沢歩きとしては地味なコースだが、最後に三つ、ささやかな見どころがある。沢が大岩の間を流れているところがあり、ちょっとした滝と淵があり、淵の奥は洞窟状になっている。水に入らずに通過するのは困難なので、右の大岩の右から巻く。

大岩に挟まれた流れ。
大岩に挟まれた流れ。
覗き込むと洞穴状になっている。
覗き込むと洞穴状になっている。

二つ目は2段4mの滝。これを右から、ジグザグの踏み跡をたどって巻く。

2段4mの滝。右から巻く。
2段4mの滝。右から巻く。

その巻道の途中で、三つ目、布引滝が目に飛び込んでくる。改めて沢まで下って、布引滝へ。滑らかな岩肌を薄く水が落ちている。派手ではないが華のある滝、そんな感じがした。

布引滝。
布引滝。
布引滝。
布引滝。

ここも右につづら折れの踏み跡の巻道を登り、そのまま登り続けると、小尾根の鞍部に出る。左に尾根筋をたどると、「横谷分岐」で別れた林道の、カーブに出る。

ミラーの上から出てきた。
ミラーの上から出てきた。

ここからは舗装された林道を歩く。微妙に登り調子で、案外コタエる。

舗装道路歩き。
舗装道路歩き。

金山谷上流の谷を二つ回り込むと、「すぎのこだちの道」と編笠山への道を分ける峠、あとは下りになり、岩湧寺に着く。

「すぎのこだちの道」・編笠山への道が分岐。
「すぎのこだちの道」・編笠山への道が分岐。
下りになる。
下りになる。

河内長野市が管理する「岩湧の森・四季彩館」があり、辺りは自然公園として整備されている。公共交通機関でのアプローチは考えられておらず、通常は自家用車でここまで来て、岩湧山登山の最短コースの拠点として利用されているようだ。

岩湧寺の園地からの眺め。
岩湧寺の園地からの眺め。

その少し手前、「いわわきの道」と「きゅうざかの道」が右に分かれる。「きゅうざかの道」の丸太階段を登る。

真っ直ぐが「いわわきの道」、すぐに右に登っている階段道が「きゅうざかの道」。
真っ直ぐが「いわわきの道」、すぐに右に登っている階段道が「きゅうざかの道」。
「きゅうざかの道」。
「きゅうざかの道」。

ひたすらな登りに飽きる頃、岩湧山東峰で稜線に出る。ここは植林の木立の中。

岩湧山東峰。
岩湧山東峰。

少し西に向かって歩くと、ススキの草原が始まり、ススキの中を今一度階段登りをやると、岩湧山西峰。

岩湧山西峰への登り。
岩湧山西峰への登り。

東には金剛山・大和葛城山・二上山の眺めが美しい。残念ながら草原の秋の花はもうみな終わってしまったようだ。

カヤトの向こうに二上、葛城、金剛の山並み。
カヤトの向こうに二上、葛城、金剛の山並み。

iwawaki - 27

展望盤とベンチのある広場で、先般、百丈岩で作り損ねたマロンリゾット。(レシピ出典:斉藤 政喜『シェルパ斉藤の元祖ワンバーナークッキング』

マロンリゾット。
マロンリゾット。

さて下山、と、ここで思ってはいけなかったのだと思う。岩湧山西峰から滝畑までは、下山路と思ってはいけない。あくまでもダイヤモンドトレイルの続きである。下山だ、と思うと、滝畑まではまだまだ距離があって、気が滅入る。まだまだダイヤモンドトレイルを楽しまなければいけないのだ。Enjoy! 楽しめ!母なる超自我の命令(スラヴォイ・ジジェク)。

岩湧山西峰から西を望む。
岩湧山西峰から西を望む。

iwawaki - 31

ひとしきり下ると、ヒノキの植林帯の小さなピークを巻く道に入る。それを抜けると、稜線を離れて左に下り始める。

ここから稜線を離れて下り始める。
ここから稜線を離れて下り始める。

しばらく階段下りをした後は、快適な山腹道(北山で言うユリ道)がかなりの部分を占める。

植林地の階段下り。
植林地の階段下り。
長い山腹道。
長い山腹道。

檜の植林と自然林が交錯し、次第に自然林が増える。黄葉が美しい。丸っこい岩が現れると間もなくカキザコ。

カキザコ手前の岩。
カキザコ手前の岩。

このへんでパラパラ雨が降り出した。ここから北への下り。

黄葉。
黄葉。
神野山、燈明岳方面の眺め。
神野山、燈明岳方面の眺め。

水場を過ぎ、ベンチのあるところから左へ、急激に下って林道を横断、さらに下ると、トイレ、売店のある大きな駐車場に下り着く。

水場。
水場。
最後は切り通し風。
最後は切り通し風。
駐車場に下り着く。右は手洗い。
駐車場に下り着く。右は手洗い。

売店はかなり大きなホール状の「喫茶」(食堂)を併設する。雨宿りを兼ねて小さな売店でウロウロしていたら、従業員の女性に喫茶の方に入れと言われた。その上、無料の温かいほうじ茶も飲むようにと指示された。食事を注文しないと出て行けと言われる六甲の××茶屋などとはえらい違いだ。まあ、それぞれの事情があるのだろう。コーヒーか紅茶ぐらい注文すべきかなと思ったが、あいにく小銭もあまりない。頃合いを見て16時、チップ代わりの50円玉を置いて、外に出て、滝畑ダムバス停に向かって歩く。5分ほどで、すでに停まっていたバスに乗り込む。行きにも使ったコミュニティバスの終点だ。

「滝畑ダム」バス停。
「滝畑ダム」バス停。

バスは河内長野行きだが、途中、下高向しもたこうで下車。そこから少し歩いて「風の湯」に向かう。風の湯には、以前、妙見谷から金剛山に登った帰りに寄ったことがある。その時は、河内長野の駅までバスで戻ってから、タクシーで向かった。駅から、思ったよりも距離があった。今回利用のバスは、途中、近くを通っていた。交通量の多い車道の横断、信号待ちが長くて、案外時間がかかった。370号線に沿って左に坂を登り、外環状線、170号線の巨大な交差点を横断する。家電店や飲食店の郊外型大型店、巨大なパチンコ屋がある。「風の湯」の直前、コンビニがあった。湯上りの下着の替えを持ってくるのを忘れたので、ここでアンダーシャツとパンツを買う。

ここの風呂は良い。露天も、ジェットバスも充実している。iPhoneに入ってきたメッセージによれば、家に帰り着けば、夕食は子供が作った鮭のムニエルだというので、頑張って帰ることにする。が、家まではかなり遠い。軽く腹に入れておこうと思って、付属の食堂で天ぷら茶そばを注文したが、一向に出てこない。20分も待った頃、店員が改めて注文を取りに来た。案の定オーダーが通っていなかったようだ。あと10分ほどでバスがある。そばは放棄して席を立った。地元野菜の店で白菜を買い、近くの上原口バス停へ。ドブ板の上に屋根をつけたバス停だ。相変わらず雨がそぼ降っているので屋根がありがたい。

上原口バス停。
上原口バス停。

河内長野駅までは、渋滞でかなりの時間がかかった。急行で新今宮へ。JR環状線で大阪へ。梅田で阪急に乗り換え、帰宅。

山の食事

パーティ登山で、どの道をとるかの決定権を持つことをroute権限と言う。いや、何でこんな下らないダジャレを思いついてしまったかというと、歩いたコースの地図を掲げてくれるのは嬉しくありがたいのだが、それにrootmapなどと名付けているブログを見てしまったからだ。root権限取って改竄したくなる。

それはともかく、山の食事の話。とりあえず日帰りの歩きの昼飯の話だ。以前に山の休憩について書いたことがあるが、最近は僕も極力座ることは減らして、短めの休憩を取るようにはしている。でも座ること自体は、僕にとって、何のタブーでもない。

僕の日帰り山歩きの食事の基本はおにぎり。大抵はコンビニおにぎりだが、その是非についての話は今は措く。おにぎりを2、3個用意して、10時とか11時とかに5分〜15分程度の休憩を作って1個食べる。分散型の食事だ。

昼食大休止にちょうどいいところに正午ごろ着くとは限らない。そういう場所に到着するのがやっと2時近くということもある。そういう場所に着いたら、腰を落ち着けて、「山メシ」を調理したりする。その前に小分けで食べているから、それでも問題ないわけだ。

人と一緒に歩くと、必ずしもこれが一般的な行動ではないことに気づかされる。「昼食」=「大休止」のスポットまで、あまり口に入れない人が意外と多いのだ。それは場合によってはバテるし、自分の行動を縛ることにしかならないと思うのだが。

iOS版Quizletを音声入力で使うには

語彙学習用WebサービスとしてよくできているQuizletには、無料のスマートフォン用アプリも用意されている。アプリで使えるのは、フラッシュカード、Learn、Match と、Web版に比べて限られているが、寝転んででも、通勤通学の合間にでも使えるのは便利だ。

この Learn は、答えをタイプして打ち込んでいくのだが、これをiOSでは音声入力でやることもできる(通勤通学の時に音声入力は使いづらいだろうが)。ドイツ語の場合を説明する。

iOSでは、英語キーボードのままでもドイツ語フランス語スペイン語を入力するのになんの不自由もないが、この場合はドイツ語キーボードをオンにする必要がある。まだオンにしていなければ、設定>一般>キーボード>キーボードから「新しいキーボードを追加…」をタップして、ドイツ語キーボードを追加する。

ドイツ語キーボードを追加。
ドイツ語キーボードを追加。
Quizletアプリで Learn を開始。出てくるキーボードをドイツ語キーボードに切り替え。Leerzeichen(スペースバー)の左隣のマイクボタンをタップして音声入力。認識されたら、Doneボタンを押し、さらに青い Fertig ボタンを押す。これだけ。

ここでは不定詞から過去分詞を答えるセットを使っている。

ドイツ語キーボードに切り替え、マイクボタンをタップ。
ドイツ語キーボードに切り替え、マイクボタンをタップし、音声入力。

Done ボタンをタップ。
Done ボタンをタップ。

右下の青いボタン(ドイツ語ではFertig)を押す。
右下の青いボタン(ドイツ語ではFertig)を押す。

runtastic の筋トレアプリ

今年の初夏の頃のことだ。ゴロ寝筋トレを一年続けて、それなりの効果が実感でき、そろそろもう少しバタバタ体を動かすトレーニングをやってもいいかなという気がしてきた。どうもゴロ寝筋トレをやってきたからこそ、そういう気に、そういう段階になったので、だからこの道筋、ゴロ寝筋トレをある程度続けてからという道筋は、他のひとにも勧めてもいいかもしれない。

とは言っても時間も金もかかるジムの類に行く気はない。腕立てとか、腹筋とか、改めてやってもいいかなと思うようになったのだった。誰でも知っているこういうトレーニング、昔からちょろちょろやってはいた。でもはかばかしい効果を感じることはなかった。ポイントはそのやり方だったのだが、そのことに気づいたのもつい最近のことだ。腕立てでも腹筋でも、ちょろっとやってすぐにやめてしまう、そういう人は多いのではないか。効果を得るためには、一定の強度と継続が必要だ。

その手の書物やサイトには、n回×mセット、とか書いてあるのだが、どうもしっくりこない。もうダメだというぎりぎりまで回数を続けるというのも一つのやり方のようだが、それも主観だから、少なくとも初めのうちの、トレーニング中の自分の体についての内観ができていない状態では信用ならない。

それで使ってみて良かったのがオーストリア(オーストラリアではなくて、カンガルーのいないほう)の runtastic 社の各種アプリだ。最近アディダスが買収したことで、日本語のマスメディアでも名前をよく見かけるようになった。だがたとえばこの記事はランニング用アプリのことしか念等に置いていないようだ。アディダスとのコラボとなれば真っ先にランニングを考えるのは当然だろうが、ランニング用アプリは runtastic の製品のほんの一部に過ぎない。たとえば体重、体脂肪率などが測れてスマートフォンにデータを自動で飛ばせる体重計(オムロンやWhithings社と競合する)や、リストバンドも出している。前に「ゴロ寝筋トレ」で紹介したインターバルタイマーも、runtasticのものだ。

話を戻して、使ってみてなかなか具合がいいなと思ったのは、腹筋、腕立て、スクワット、懸垂用のそれぞれの筋トレアプリだ。

Runtastic Squats スクワットカウント&筋力トレーニングプラン – runtastic
Runtastic Push Ups 腕立て伏せカウント&筋力トレーニングプラン – runtastic
Runtastic Sit Ups 腹筋カウント&筋力トレーニングプラン – runtastic
Runtastic Pull Ups 懸垂カウント&筋力トレーニングプラン – runtastic
いずれも無料の試用版。レベル1のみが使える。有料のPRO版は執筆時点で各¥250。リンクを貼ったのはiOS版だが、Android版もある。

たとえば腕立て用は、顔の下にiPhoneを置いておくと、近接センサーを利用して回数をカウントしてくれる。たまにカウントしてくれなかったり、ダブルカウントしてしまったりすることもあるが、大きな問題になるほどではない。だがこういうカウント機能自体は、決して珍しくない。iPhoneの初期の頃は、腕立て1回ごとに、顔の下に置いたiPhone画面に鼻先を接触させることでカウントするちょっと笑える腕立て支援アプリがたくさんあったが、今では近接センサーを使ってカウントするものもありふれている。

実行中のカウント画面。
実行中のカウント画面。これは腹筋。

腹筋、スクワット、懸垂のカウントには、加速度センサーが使われるわけだが、それも別に runtasticの専売ではない。腹筋一回ごとに、女の子のアニメ声で応援してくれるといういやはやなんとも日本的なアプリも見かけたことがある。もちろん runtasticでも、音声フィードバックもある。「あと20回」とか「新記録まであと10回」とかコールしてくれる。「Me」タブを開いた右上の歯車アイコンから、音声を含めた各種設定が可能で、フィードバックの音声は、英語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、フランス語から選ぶことができる。僕は気分で言語を切り替えて使っている。(ただし四つのうち、懸垂用のものだけは、加速度センサーによるカウントがうまく機能しない。)

フィードバック言語の選択。
フィードバック言語の選択。

runtasticの強みは、自動的な累進トレーニングプログラムの提示にある。起動後の「ワークアウト」画面には、「トレーニング開始」ボタンと、「セッション/記録」ボタンが並んでいる。後者を押すと、プログラム抜きで、ひたすら回数をカウントする。

起動時の「ワークアウト」画面。
起動時の「ワークアウト」画面。

当面は「トレーニング開始」ボタンを押せばよい。するとたとえば腹筋は、初回は 2-3-3-2-3-2 というプログラムになる。数字は続けてやる回数。ダッシュの部分に休憩が入る。二回目は 3-2-3-3-2-2、三回目は 4-4-3-3-2-2 という具合。この休憩の秒数もプログラムされていて、30秒くらいから、進度・負荷に応じて4分ぐらいまでの絶妙なインターバルになっている。そして初めてこのアプリを使ってトレーニングをしたときから、トレーニング日も適切に決定される。ステージに応じて、中1日から3日ぐらいまで、中日も自動的に決定されるのだ。それがまた決して杓子定規ではない。たとえば月曜にトレーニングしたあと、次は水曜にやることになっていたとする。その水曜に何らかの事情で実行できず木曜になったとしても、素知らぬ顔で再計算してくれる柔軟さがある。また各回のセットの最後、例えば上記レベル1三日目の4-4-3-3-2-2の場合であれば最後の2だが、ここで3回以上続けてやっていけば、そのままカウントし続けてくれる。だから可能なぎりぎりまで続けるという方法も使えるわけだ。これはよくできていると言うほかない。こうして、無理なく記録を、したがって筋力を、伸ばしていける。

トレーニング・プログラム。ワークアウト画面中央の歯車アイコンを押すと表示される。
トレーニング・プログラム。ワークアウト画面中央の歯車アイコンを押すと表示される。

「Me」タブを開くと、実績に応じて与えられた「メダル」が表示される。多少のインセンティブにはなる。また他のアプリでの記録もまとめて表示される。見られるとおり、レベル3も終了しているのに、レベル2のメダルが半分しか点いてないというバグがあるが、これはまあどうでもいいだろう。

「Me」タブで表示されるメダル。
「Me」タブで表示されるメダル。

プログラムは、スクワットの場合で言えば、レベル1が9日、レベル2、レベル3がそれぞれ19日(インターバル日を除く)。レベル1の8日めは17-10-8-6の合計41回で、9日めに一気に20回やって終了。レベル2、レベル3の最後から2日目と、最終日は、それぞれ、88-26-16-58、100と、143-46-30-69、150となっている。つまり回数の単純合計で言えば、各レベルの最後から2番目の日の方が、最終日よりもきつい。最終日は、それぞれ100回、150回だけ、一気にやって終わる。僕はレベル3の最後は170回までやってやめた。この記事を書き始めたのは数ヶ月前だが、レベル3終了後の使い勝手はどうなるのか確認してから公開しようと考えて寝かせてあった。(ゲームとかこの手のアプリとか、ちょろっとやってレビューめいたものを書いているのをよく見かけるが、どうかと思う。)最近、スクワットのレベル3が完了したので書き継ぐことができる。レベル3以上のプログラムはない。「セッション/記録」ボタンを押して、ひたすら回数を伸ばすことを図るのもありだが、プログラム化されていないから継続性はない。

「リーダーボード」タブを押すと、「スクワット」と「記録」という、意味のやや不明瞭な順位リストが表示される。世界中のアプリ使用者の上位3位までと、自分の記録が表示されている。「スクワット」の方は、何らかの累計回数のようだが、どういう計算なのだか分からない。「記録」の方は、一気にやった回数の記録だ。だから「セッション/記録」ボタンを押して200回とか300回とかやれば、こちらに記録が残ることになる。ただしこれはどうやら500回までしかカウントしないらしい。

「リーダーボード」。
「リーダーボード」。

「トレーニング開始」ボタンで始めるプログラムの方は、レベルを戻すことも可能だ。(プログラムの途中で、自分に合ったレベルよりもハードになりすぎていると思ったら、レベルを下げることもできるわけだ。)レベル3を完了した後、「トレーニング開始」ボタンを押すと、「このレベルはすでに完了しました。始めから行いますか?」というダイアログが出る。結局、継続性のためには、レベル3の最初に戻って繰り返すのが一番良さそうだという結論に達した。気が向いたら「セッション/記録」ボタンの方で記録を狙えばいい。

「このレベルはすでに完了しました」。
「このレベルはすでに完了しました」。

肝心なのは、やった結果の体の具合かもしれない。僕個人について言えば、食事制限などはしておらず、体重はさほど変わらない。腹回りもそれほどは締まらない。

「うんとこしょーどっこいしょ それでもしぼうはへりません」(ロシア民話『おおきなはら』より)

しかしスクワットのおかげで、さすがに腿や尻は多少引き締まってきている気がするし、山歩きのときの安定性はぐっと増したような気がしている。気がしているだけだが。

ところでこの記事、いちおうアフィリリンクは貼ったけれど、執筆公開時点ではruntastic社から一銭も受け取っていない。

名来ならいから鎌倉峡・百丈岩

さくらやまなみバスは、西宮市の中心部と北部の山口町を結ぶ足として、2009年に運行が開始された。(そもそも山口町周辺が西宮市に属することになったについても、いろいろ複雑な事情がありそうだ。またバスの開通と前後して、船坂の小学校は廃校となり、地域の子どもたちはバスで山口町の小学校に通うことになった。)西宮市北端の、山口町名来まで通じている。途中、神戸市北区を横切って有馬温泉を通る便も多く、六甲越えをして有馬に出た時など、帰りの足に便利に利用させてもらっている。

鎌倉峡は、六甲に発して道場付近で武庫川に注ぐ船坂川中流域の峡谷。鎌倉峡と百丈岩は、2年前、2013年の3月に歩いている。そのコースとしては、『関西日帰りの山ベスト100』もそうだが、通常、JR福知山線道場駅からの周回コースが紹介される。上流側の「鎌倉峡出合」に回り込んで、そこから下ってくるコース。2年前の僕もそのコースをとった。だが道場から神戸セミナーハウス、平田配水池を経てのアプローチは、車道・林道歩きがやや長い。もちろん、田園や樹林の中を歩くのでそれほどには苦痛ではないし、途中の182段の階段登りも、それはそれで楽しめないこともない。また鎌倉峡を遡上し、「出合」からまた戻ってくるという往復で楽しんでいる人もかなりいそうだ。しかし別のアプローチはないだろうか。西側の神戸電鉄二郎駅から「近畿自然歩道」で平田配水池に向かうことも可能なようだが、結局は車道歩きだ。兵庫県の自然歩道紹介サイトには、「景勝の地 百丈岩を望むみち」として、道場駅と二郎駅を結ぶコースが紹介されており、鎌倉峡への言及もあるが、曖昧な絵地図が掲げられているだけで、およそ実用性を欠いている。二郎駅から歩いている方の記録もあった。ただし少し古い2007年の記録のようである。

地形図と、さくらやまなみバスの路線図を眺めていて、夙川などからこのバスに乗って鎌倉峡にアプローチする手があるのではないかと思いついた。阪神間の住人にとっては便利なはずだ。

さくらやまなみバス、午前だけ見ておくと、
平日は阪急夙川9:30発、名来10:38着の1便。
土曜は阪急夙川8:20発、10:20発、名来着はそれぞれ9:28、11:28。
日・祝は阪急夙川820発と10:25発、名来着はそれぞれ9:28、11:33。
もちろん西宮北口、JR西宮、JRさくら夙川などから乗ってもいいだろう。詳しくはこちら:さくらやまなみバス

さくらやまなみバスで名来からのアプローチ

平日だったので、阪急夙川9:30の名来行きバスに乗る。盤滝トンネルで六甲山を抜け、有馬温泉を通り、さらに北に向かう。途中、その名も鎌倉峡というバス停があるが、鎌倉峡そのものへのアプローチには使えそうにないのでパス。最後の南名来・北名来・名来の区間はループになっていて、バスはそのまま「南方面行き」となる。名来バス停が「終点」扱い。意外にもほとんど遅延はなく、一時間あまりで到着。名来バス停で降りて、歩きはじめる。

バス停の目の前、有馬川に架かる橋を渡り、

有馬川を渡る。
有馬川を渡る。

名来神社左の舗装された狭い坂道を登る。両側は樹林。

舗装された坂道。
舗装された坂道。

やがて立入禁止の表示のある金網扉に行き当たる。そのすぐ右から、幅広い土の道が続いているのでそちらに進む。この道はすぐ左に曲がり、金網扉で進入できない道と並行するようになる。

金網扉。ここから右へ。
金網扉。ここから右へ。

左側の金網フェンスが切れるところ、道はそのまま右に続いているが、フェンスを回り込むように左に向かう道があり、そこに思いがけず「丹波街道」の道標がある。

金網の切れた向こうに道標。
金網の切れた向こうに道標。
謎の「丹波街道」道標。
謎の「丹波街道」道標。

そちらに行くと、すぐに丁字路になるので左へ。次の分岐を右へ(ここを左に行くとあの立入禁止扉の道に裏から入ることになるはずだ)。このあたり、やや道が錯綜するので注意が必要かもしれない。またすぐ二股になるので、正面の山道に入る。

林道は右へ向かっている。正面の山道に入る。
林道は右へ向かっている。正面の山道に入る。

(地形図で254mの記載のある小ピークの北側。地形図を見る限りでは、この二股で山道に入らず、東へ林道をたどっていっても、一つ東の尾根を通って鎌倉峡出合に出られそうではあるが、未確認。)すぐに左から道が登ってきていて合する。(名来神社よりも少し北から有馬川を渡り、ため池のある谷筋を通ってここに登ってくる道のようだ。分かりにくい分岐も減りそうだし、ここまで、この道を利用してもよかったかもしれない。)そこにも丹波街道の道標があるのを見送り、そのまま尾根通しに進む。

左から「丹波街道」が昇ってきている。ここは右の尾根道へ。
左から「丹波街道」が登ってきている。ここは右の尾根道へ。

途中二ヶ所で、送電線鉄塔を見る。小さなピークを越えると下りになり、平田配水池からの旧知の道に合流する。目論見通り、名来からのアプローチが開拓(大げさ)できたことになる。鉄塔の巡視路だから、整備されている。むしろここから先の方が悪路だった。

正面奥から出てきた。右が平田配水池、左が鎌倉峡出合。
正面奥から出てきた。右が平田配水池、左が鎌倉峡出合。

ここまでの道が少しややこしいので名来からの略地図を作ってみた。

この、配水池から鎌倉峡に下りる道のラインが、西宮市山口町名来と、神戸市北区道場町生野との境になっている。道が急に右に下り、谷に向かうところ、正面に軽く登る道があり、行ってみると、小さな広場状になっていた。「太陽と緑の道」と書かれた古い道標も立っており、元々は休憩などによく使われていたのではないかと思われる。そのまま通り抜けて下ると、もとの道に合流する。水が出てきて、谷筋の道になる。道が小沢から別れて左に向かうと、鎌倉峡出合。

鎌倉峡

鎌倉峡出合。
鎌倉峡出合。

ここから先は神戸市北区道場町。鎌倉峡は以前よりも荒れている感じがした。ゴミも少なくない。心ないハイカーによるものもあるだろうが、上流から流れてきているものが多いように思われる。両側の木々の枝に引っかかっているゴミから判断するに、ここ数年の台風で、平常よりも二、三メートル水かさが増したことがあったようだ。

鎌倉峡は、上流にゴルフ場、ダム湖、住宅地があり、清流とは呼べないが、沢歩きというか、峡谷の岩場のへつりが多いコースで、近隣の日帰りコースの中ではかなりユニークな歩きが楽しめる。へつりと言うかトラバースと言うか、沢岸の岩場を登るでも下るでもなく、横に這っていくわけだ。滝場はほとんどないし、水に入る沢登りの装備は必要ないが、まったくの山歩き初心者や、岩場の経験がない人には薦められない。多少はルートファインディングの経験も必要だ。

左岸をそのまま、笹の生えた流れ際の踏み跡を辿る。すぐに岩場になって、へつるように進む。要所要所にはかすがい状のステップや鎖も設置されている。ガラガラの河原を歩くところもある。

岩壁のトラバース(へつり)が始まる。
岩壁のトラバース(へつり)が始まる。
イナカギク?
イナカギク?
この辺は少し穏やかな渓相。
この辺は少し穏やかな渓相。
アキチョウジ?
アキチョウジ?
ここもトラバース。
ここもトラバース。
これもトラバース地点。通過して振り返る。鎖、ロープが見える。
これもトラバース地点。通過して振り返る。鎖、ロープが見える。
またトラバース。鉄鎖が設置されている。
またトラバース。鉄鎖が設置されている。

川の真ん中に大きな四角い岩があり、左岸の岩盤がちょっと広くなっていて、この沢の中としては休憩に使いやすい場所がある。ここでおにぎり一個を食べる。大岩には、すでにかなり薄くなった赤ペンキで「右岸へ」と書かれている。

谷の真ん中の四角い大岩。「右岸へ」と描かれている。
谷の真ん中の四角い大岩。うっすらと矢印と「右岸へ」の文字。

ここまでのルートは左岸通し。この先は右岸。以前は大岩のすぐ下流側、1メートルほどの幅をジャンプして越えた。今回は、大岩の上流側に回ってみたら、あっさり渡れた。ただし水量によってはどうなるか分からない。

今回はここを渡った。
今回はここを渡った。
前回はここをジャンプ。
前回はここをジャンプ。

ペンキ矢印に従って、右に登る。一種の巻き道だ。

巻道の途中から、下の二条の滝を眺める。
巻道の途中から、下の二条の滝を眺める。

鎹のいくつも打ち込まれ、ロープの下がる急斜面を慎重に下って、流れに近い大きな斜めの岩盤に降り立つ。そこからまた上に行く道もあるが、岩盤をそのまま進み、回り込んで行けば、道は続いている。

谷が左に曲がった先、赤ペンキで○印が描かれ、鎖もある所から一旦登り、すぐにまた河原に下りる。もう一度山道に取り付くと、竹やぶになり、家屋が現れ、コンクリート道になる。左に駐車場を見て進むと、「やまびこ」売店。

売店は、平日の今日はシャッターが下りていた。中からはクラリネットがスケール練習をしているのが聞こえた。がんばれー。道を挟んだところに、「最明寺入道 北条時頼公遺跡」の石碑。いわゆる時頼廻国伝説だ。鎌倉峡の名前自体、そこからきているのだろう。時頼には鎌倉を出て諸国を回る時間など到底なかっただろうという気がするが、そう言えば宝塚の中山連山の登山口、阪急山本駅付近を流れるのも最明寺川であり、最明寺滝もあった。

百丈岩

売店の家の脇から、巨大な真鯉の泳ぐ池を見て、谷に向かい、すぐの石段から百丈岩への登り道に取り付く。

小さい秋。
小さい秋。
コウヤボウキ。
コウヤボウキ。

かなりの急登で、途中、鎖場も何ヶ所かあるが、距離は長くない。

百丈岩への道の鎖場。
百丈岩への道の鎖場。

標識6の分岐を見て(この辺りから西方に建設中の新名神が見える)、

標識6の看板。
標識6の看板。

ロープの下がるザレた斜面を登ると、稜線に乗る。灌木があるが、視界が開けるたびに、ロウソク岩がぐんぐん近づき、迫力を増してくる。

ロウソク岩。中央は鎌倉峡のV字谷。その向こうに六甲の山並み。
ロウソク岩。中央は鎌倉峡のV字谷。その向こうに六甲の山並み。

百丈岩の山頂はちょっとした広場状になっている。ここからの南側の眺めは、思いのほかいい。たどってきた鎌倉峡上流方向のV字谷が美しい。谷の向こうに、ゴルフ場の緑がわずかに覗いている。あれがアルムだったらよかったのに。その上に時々通る車は、中国道だろう。ゴルフ場も車も、幸い遠く小さくて、それほど気にならない。その向こうにそびえる六甲の山並みのグラデーションがいい。鎌倉峡から左側、この百丈岩南の谷とその周りの山々も、樹林が美しい。余計な人工物がほとんど目に入らない。

さて百丈岩頂上で本日の山メシ、マロンリゾット。のつもりだったが、ここでガスカートリッジを忘れてきたことに気づく。食材も、フライパンも、バーナーヘッドも持ってきたのに。まったく朝慌てて出てくるとロクなことはない。もう一個買ってあったおにぎりを食べて終了。

百丈岩からの下山路

2年前、ここを歩いた時は、岡弘氏のガイドブックの旧版、『関西日帰り山歩きベスト100』を参照していた。この旧版では、百丈岩を通り、「静が池分岐」から北に向かって下るコース取りになっていた。が、2年前にはすでに新名神の工事のため、北に、道場駅に向かうコースはことごとく通行止だったので、仕方なく元の道を戻って「やまびこ」に下りた。新版『関西日帰りの山ベスト100』では、この工事への対応だろう、コースが変更され、「標識6の分岐」まで戻ってから尾根筋をたどることになっている。2年後の今でも、道場駅方向に向かう道はほとんどが通行不可のままである。この『ベスト100』新版が採ったコースが使えるかどうかを確認するのが、名来からのアプローチ開拓とともに、今日の目的の一つだった。

「標識6」まで戻って尾根筋を行く。本来、尾根先端の北側に下り着くコースだが、先端部分は工事のためやはり通行止になっていて、その手前(標識7)で南側に急下降し、車道に出る。問題なかった。尾根筋で徐々に標高を下げてきてもいたため、尾根をそれて左に下る急坂も、あっという間に終わった。

『ベスト100』旧版からの地図の誤謬にここで初めて気づいた。旧版ですでに、「やまびこ」のある百丈河原の記載位置は、船坂川の蛇行S字一つぶん、下流に、つまり地図上では上方向に、ずれている。新旧版とも、「山道に入る」と描かれているところのすぐ先の川の屈曲部が百丈河原というか「やまびこ」売店の正しい位置だ。そこからちょっと谷に入ってすぐ北に、等高線の詰んだところを登るのが百丈岩への道。新版の「標識6」の位置はほぼ正しいが、地図上で百丈河原からのルートのように記されているラインこそが、「標識6」から下る尾根道である。尾根先端の小さなコブの手前から南に下りるので、ガイドブックの地図で誤って百丈河原と書かれているところよりも上流、船坂川が北西から南西に向きを変えるあたりに出ることになる。

川沿いに車道を下り、建設中の新名神の下をくぐると、すぐ左が橋の丁字路に出る。丁字路と書いたが、一段高くなった橋の向こうに、まっすぐ、川沿いの道が隠れている。十字路なのだ。(いや、歩いてきた道からまっすぐ進むように見える道もある。が、それは民家で行き止まりになる。進むべきは川べりだ。)前回はここから右に車道をたどったが、『ベスト100』が記しているように、橋に一旦乗ったところから川沿いに下流に向かう幅広い地道を歩いた方がいい。水久野橋、生野橋を渡って、JR道場駅へ。

東おたふく山、風吹岩から岡本へ

東おたふく山でリンドウとセンブリが咲いているという情報をTwitter経由でにゃみさんからいただいたので、秋晴れだし、出かけることにした。

東おたふく山

東おたふく山登山口まで芦屋川からバスで上がり、歩き出す。後半は芦屋川か岡本か、南に下るつもりだった。東おたふく山山頂まで標高差240mほどを登ったあとは、ひたすら下り基調になる軟弱コース。

バスを降りて、舗装道路を歩き出す。ここはすでに標高460m。途中左に、一群の高級住宅街への道を分け、土樋割どびわり峠への林道を行く。途中で林道と分かれて左に下り、蛇谷を渡ると登山口。

東おたふく山山頂へは、そのまま林道を土樋割峠まで辿り、北側から登ることもできる。が、今現在、落石の危険があるようで、ここから先は通行止めの表示がある。ロープが張られ、車が進入しないように計らわれているが、「どうしても歩きたい登山者は」といった注意書きもあり、歩いて通れないことはないらしい。

今日はそちらに回る予定はないので、そのまま登山口から登り出す。かつてこの道を歩いたのはずいぶん前のことで、好天のおかげかもしれないが、意外と気持ちのいい道ではないかと思った。ひとしきり登ると山腹を回り込む水平道になり、前述の住宅地の奥をかすめる。住宅地は、以前よりもこちらに迫ってきているように思えた。

それから急登になり、尾根に乗ると、傾斜はまた緩やかになる。この辺りから笹が多くなり、空が広くなる。道の両側は、幅広く笹が刈り払われている。にゃみさんの説明によれば、ここ数年、ネザサの刈り払いが行われて、リンドウやセンブリ、夏にはササユリやキキョウが戻ってきているのだという。現地にも3、4箇所、こんな説明板が設置されている。

ネザサ刈り払いの説明板。
ネザサ刈り払いの説明板。

かつて、こうした半自然草原は、ススキの原で、屋根葺き材、緑肥、家畜の飼料、炭俵材などに利用するため、年1回の刈り取り(場合によっては火入れ)が行われていた。そうした需要がなくなり、放置された結果、ネザサがはびこったり、低木林化が起こり、ススキの原が消えていく。そうすると、そうした草原に生息していた草原生植物も消滅する。これに対して、種多様性保持の観点から、カヤ原の刈り取り、管理が必要だとされているようだ。

2012年のリポート:東お多福山草原刈り取り管理の4年間の成果と今後の活動の展望

カヤ原に関する研究論文

山頂直前、山頂の稜線と平行に南にのびる小尾根の稜線沿いも幅広く刈り払われていて、その先端まで行くと、南の展望が開けている。

元に戻って山頂へ。本日の最高点、697m。土樋割峠からの道がここで合する。山頂付近、両側に伸びた木立はそのままに置かれているので、眺望はあまりない。十数年前はここもかなり展望が開けていた記憶がある。南に向かって広い尾根を下って行くと、次第に草原部が増え、眺めもよくなってくる。リンドウも現れ始める。

いったん階段で登り返した上の草原は、ことに花が多く、センブリの群落もある。センブリはかつて生薬の代表みたいなものだったように思うが、花自体も可憐だ。その群生というのはぼくは初めて見た。あたりは、足の踏み場もないほどだった。刈り取りの成果なのだろう。

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シラヤマギク?
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登山道わきのススキ。
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リンドウ。
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東お多福山の稜線から六甲の主稜線を望む。
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リンドウとセンブリ。
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アキノキリンソウ。

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雨ヶ峠〜風吹岩

雨ヶ峠にくだり、風吹岩に向かう。この道を下り方向で歩くのは初めて。登り方向だと、ゴルフ場から雨ヶ峠への登りや東おたふく山の階段上りはかなりコタエるが、下りなら楽なものだ。当たり前か。

横池の方から子供たちの嬌声が聞こえてくる。途中左に踏み跡(標識はない)を登り、「重ね岩」へ。ここで大休止にしようかと思っていたが、おじさまお二方が腰を据えていらっしゃったので(ここはあまり広くはないのだ)そのまま通過。南側の踏み跡から銀座通りに戻る。

風吹岩にはやはりかなりの人がいた。南側の岩かげの小さな平地に陣取り、本日の山メシ。「げんさん」レシピの「やきとり缶カレー」。先日雲山峰でやったカレーは日帰りの山にはオーバースペックだったが、このレシピは簡単だ。野菜ジュースをシエラカップに入れて弱火で温め、そこにやきとり缶(たれ味)とカレー粉を入れるだけ。簡単で美味く、かつちょっとした捻りのあるレシピでは、やはり「げんさん」の右に出る人はないように思う。

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やきとり缶カレーエビ天入り。

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下山

風吹岩からの下り道も選択肢が多い。どの道で下ろうかとしばし考える。ロックガーデン主稜を下るか、高座谷を下るか。芦屋川地獄谷を下るのはちょっとリスキーか。魚屋ととや道はJR甲南山手か阪神深江に出ることになって、阪急沿線の住人にとっては不便だ。その途中から芦屋川に出る道もあるが、それは最近歩いたし。魚屋道からすぐに分かれて、金鳥山と保久良神社を経て岡本に出る道は定番すぎる。

結局、金鳥山の手前からまだ歩いたことのない水平道に入り、八幡谷から岡本に出ることにした。魚屋道から分かれてすぐ、425mピークを巻いて、道は左に曲がる。右にも行く道があるので、辿ってみた。送電線鉄塔の下で行き止まり。その管理道らしい。戻って、少し行くと、尾根道と谷道が分かれる。歩いたことのない谷道に入る。水のない、杉林の広い谷底を行く道で、やがていつの間にか山腹に上がっていき、尾根道と再び合流する。その合流から右に折り返すように分かれている道があって、これが目的の水平道。

この辺り、ことに鳥のさえずりが降ってくる。南西に伸びた尾根を回り込むところに、かつては立派だったであろうベンチとテーブルが設置されている。そのすぐ先、八幡谷に尾根通しに下る道が左に分かれる。これをたどってみることにする。昭文社の登山地図だと、詳細図の方にだけ、破線でこの道の記載がある。一部かなり急なところもあるが、概ね明瞭な踏み跡だった。また鉄塔の下をくぐり、左に池を見て、最後に、尾根先端の小さなコブのようなところを上がると、巨石が積み重なっている。周りには、ベンチのように丸太が配されている。岩の上に立つと、八幡谷のV字の間に、市街地と海方面が見える。

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人面のようにも見える岩。

しかし岩の先には立入禁止の札があり、道らしい道もない。おかしいなと思って少し戻ると、コブに乗る直前、右の谷に向かって下る道がのびているのだった。すぐにメインの道に合流し、木橋で八幡谷を渡ると二つの石祠のある「山の神」で、打越峠から下ってきている道と合する。沢より少し高いところを辿り、二、三の砂防ダムを過ぎると、道はいったん沢に近づく。このあたりから先、八幡谷は狭く深く切り立って掘り込まれた峡谷ゴルジュになっている。六甲ではかなり特異な地形だと思うのだが、特に言及されているのを見た記憶がない。道はその上部を通っている。

八幡谷。
八幡谷。

だがそれもあっさり終わり、岡本の住宅地の奥の車道に飛び出す。坂道を下り、阪急のガードをくぐり、駅近くの〈フロイン堂〉でカンパーニュを買って帰宅。

布引からトゥエンティ・クロス、石楠花山、双子山

これも『関西日帰りの山ベスト100』に掲載の一コース。どんなものかと思って歩いてみたが、結論から言うと、残念ながらあまり人にオススメできるものではなかった。

三宮から北神急行(地下鉄)で一駅の新神戸から歩き出す。今日も出発が遅くなり、このとき既に11時。新幹線の駅の下をくぐり、布引の滝へ。布引の滝はやはり立派だ。街を見下ろす展望広場には、一群のハイカーがたむろしていた。多分天狗道から摩耶山に向かうのだろう。布引ロープウェイの下を通過し、明治期の建築として、これもやはりそれなりの貫禄のある布引貯水池のダムを見て、市河原に向かう。河原では、幼稚園児の一団が生命力を発散していた。この辺りまでずっとコンクリート道。尾根を一つ越して、天狗道分岐、地蔵谷出合、地蔵尾根分岐を見送る。その先からがいわゆるトゥエンティ・クロスということになる。

トゥエンティ・クロスは、もうかなり前に二、三回、摩耶山から桜谷経由の下りなどでで歩いたことがある。沢を二十回も渉り返して進むところから名付けられた当時の面影はもはやない。渡るのは5、6箇所、そのうち飛び石のままなのは二箇所のみ。残りは木橋が架けられている。いくつも造られた砂防ダムを高巻くため、登山道のかなりの部分が谷の高いところに、つまり水から離れたところに、どんどん追い上げられてきている。

最初の巨大ダムを巻いて登った先、分水嶺越えの道が分岐するところが、小さな園地に整備されていて、いくつかベンチが置かれている。もう12時半だったので、ここでオニギリ2個。たどってきた谷の間の空を眺めながら食べる。園地の奥には、オレンジ色のフェンスに囲われて、作業用の索道(ロープウェイ)の基地。「芋川谷山腹(その3)工事」と書かれた看板がある。20年前(!)の震災のときの摩耶山南面の崩壊箇所に資材を運び上げているらしい。休憩中にも、何かの箱がジージーと音を立てながら登っていった。

その先、道は再び河原に下りる。驚いたことに、昨年にもまだ新たな巨大ダムが二つも造られているのだった。しかもその一つ目の下流に、工事で押し出されてきたのであろう土砂が、白茶けた広大な河原ないし中州を作っている。そこに架けられた新しい木橋には、「河童橋」という札が掲げられている。上高地のパロディだ。二つ目のダムはずっと上流、森林植物園入り口を過ぎた所にあり、こうした工事で荒れた所に多いフサフジウツギの紫の花が群れている。

六甲の沢は、砂防ダムだらけだ。以前にも触れたが、かつて六甲から流れ出す川は、六甲が禿山だったためもあるだろう、たびたび水害を起こした。谷崎潤一郎が『細雪』で描いている住吉川の氾濫(昭和13年、阪神大水害)は代表的だ。そういう沢水に対する何らかの治水対策が必要とされてきたことはだれにもわかる。山中のダムの近くにも、そういう意義を説明した看板が麗々しく立てられていることが多い。しかし、その適正な数についての議論は見ない。あとどれだけ必要なのか。もしかしたら、こうした工事に関わる方々は、必要の有無に拘わらず、言わば毎年二つか三つかダムを作らないと生きていけないカラダになってしまっているのではないのか。このいかにもシロウトな疑問が解かれることはあるだろうか。いつか、六甲の沢のすべてが、河床の一切見えない、連続する砂防ダムに埋め尽くされているシュールな姿を、夢に見るのだ。もちろん悪夢。

トゥエンティ・クロスは水辺の楽しめるコースとして初心者向けガイドで今でもときどき紹介されている(たとえば『関西トレッキングBESTコースガイド』)のだが、せめてシックスクロスとでも改名すべきこのコース、この沢(生田川中流域)は、もう死んだと言ってよいのではないか。

森林植物園分岐あたりから先、植林帯に入る。これはこのあと、石楠花山山頂からその少し先まで続く。

徳川道の途中から、黄蓮谷に入る。可憐で漢方薬にも用いられるオウレンがかつては生えていたのだろうか。ここからぼくには未知の道。ここも砂防ダムがあって、道は早々に沢筋からは追いやられて西の尾根に上がり、「西六甲ドライブウェイ」を横断する。六甲東部の車道と違って、車はまったく走っていない。

再び尾根に乗り、鉄塔をくぐり、しばらく登ると石楠花山。鉄骨二階建ての大きな展望台がある。しかしここも周囲の木々が成長し、二階部分からかろうじて南方、摩耶山のあたりが眺められるだけになっている。下の広場は草が茂って草原状になっている。

展望台の上で、すでに2時半だったが、本日の山メシ。山のなんちゃってビーフストロガノフ。これも「げんさん」のレシピ。タマネギをちゃんと使うところがミソだろう。行きにコンビニで見つけた「牛肉とトマトの赤ワイン煮」の缶詰も投入しようかと思ったが、先にオニギリ2個を食べてもいるし、あまりに満腹になりそうだったのでやめた。だからほぼレシピ通り。塩むすびがなかったので、昆布おにぎりの海苔をはずし、具の昆布を時々中からつまみ出して食べる。ビーフストロガノフ・昆布添え。

石楠花山から北に、林道をたどる。地形図や昭文社の地図には、途中、尾根伝いに烏帽子岩に直接向かう道が破線で描かれているのだが、その道は発見できなかった。林道が右に曲がり、しばらく行った先に、左に登り返す山道があり、それを行くとまもなく五叉路。一番左はおそらく先ほどの林道に出るショートカット。真ん中は尾根を烏帽子岩に向かう道で、行き止まりと書いてある。右奥は炭ヶ谷を下る道。右手前が双子山への道。

烏帽子岩に行ってみたが、変哲のない岩があるだけで、展望もなく、ガイドブックがこれをスルーしているのももっともなのだった。五叉路に戻る。多分ここから北への下り道でスタンダードなのは炭ヶ谷道だろう。しかし『ベスト100』に従い、双子山に向かう。道標には「熟練者向き」と記されている。登山地図は双子山への道を登山道として記していない。地形図には、双子山までの道は破線で描かれているが、その先は記載がない。

ノコンギクが多い。
ノコンギクが多い。

二、三のアップダウンを含んで、双子山の南峰をかすめ、北峰のほぼ山頂を通る道は意外に明瞭で、どこが熟練者向きなのだろうと訝った。双子山の山頂付近には、TV放送の中継アンテナの類が、生駒山のように巨怪なものではないが、いくつも立てられている。そういう施設を管理する人たちが使う道なのだろう、山頂までの道は至って明快で、何の問題もなかった。「熟練者向き」の罠は、地形図も道を記していないその先にあった。

双子山山頂から北に下る道は、はっきりした踏み跡ではあるが、とんでもない激下りなのだった。地形図からある程度は分かっていたこととは言え、先日の鎧岳・兜岳の下りに勝りこそすれ、決して劣らない。しかもあちらほどは人に踏まれていない。ところどころにロープが張られていて、ありがたく利用する。それでも一度尻餅をつき、そのときたまたま左手を突いた下に鋭い石があって、手のひら二箇所から出血した。幸いさほど深い傷ではなく、すぐに止まったが。料理用の水でさっと洗い、下り続ける。『ベスト100』旧版には「少し危なっかしい急坂」とあり、新版では「少し危険な急坂」と書き改められている。確かに「少し危険」だった。『ベスト100』が炭ヶ谷道ではなくこちらの道をあえて選んでいるのはなぜか。多分、植林地の中で暗い谷筋の炭ヶ谷道よりも、明るい自然林ではある双子山道を選好したのだろう。そうだとすれば、分からないでもない。しかしこの下りが相当にハードなことは確かで、初心者には勧められない。そして下りにかかった途端、下の阪神高速を走る車の騒音が立ち昇ってくる。(このコースは、「六甲アラカルート」さんが三ツ谷西尾根という名前で紹介なさっている。このあたりの道は、初心者向きではないとは言え、六甲のいわゆるバリエーション・ルートが好きな人には堪らない、かもしれない。)

ようやく下り切り、阪神高速の側道に出て、高速の下をくぐり、住宅地を神戸電鉄花山駅に向かって下る。4時半、駅に到着。

このコース、全体として、いろいろな点で「ベスト100」に挙げるようなコースではない、あるいはもはやなくなっている、と思う。

花山駅では、「遮断竿をくぐるのは危険ですからおやめ下さい」というアナウンスが繰り返し流れていた。遮断機ではなく「しゃだんかん」。確かにその方が正確だが、へえ、そんな言い方をするのか、と思った。この駅、改札から上りホームへは、踏切を通って渡るのだ。と思ったら、竿をくぐるのではなく跨いで通ってるのがいた。ホームのはずれから、高層住宅の合間に双子山が見えた。見るからに急峻だった。すぐ隣の谷上駅で北神急行に乗り換え、新神戸を経て三宮に出る。この列車、今日一日歩いた距離を、六甲をぶち抜いたトンネルで8分で戻った。

歩きはじめの人にオススメの関西の低山8選

この手の記事を、最近あちこちでよく見かけるので、ぼくもマネしてやってみようと思います。基準はいくつかあって、初心者でも下調べをしっかりすればまず迷わないこと、特別危険な箇所がないこと、できれば(季節によっては)花が楽しめること、山上に人工物があまりないこと(このため六甲最高峰、摩耶山、金剛山などは除外)、暗くじめじめした植林帯歩きがあまりないこと、公共交通機関でアプローチしやすく、前後にそれほど車道・林道歩きがないことなどです。10選にしようと思ったのですが、最後の二つ、迷ったので、とりあえず8つで。歩きはじめの人の参考になれば幸いです。

1. 剣尾山(北摂、784m)

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行者口バス停から出発。登山口から少しの間だけ暗い植林帯の中で、かつ少々急登ですが、30分も歩けば行者堂で、そこから先は傾斜も緩やかになり、自然林の中の広やかな道を快適に一時間ほども歩けば山頂です。巨石がいくつか横たわる、開放感のある山頂からは、360度の展望が楽しめます。新緑か紅葉の頃がおすすめ。

さらに奥の横尾山を経由して、元の登山口に近い能勢の里に周回するのが一般的ではあるものの、いったん下って横尾山に登り返す道はかなりの急登。また横尾山からの下りも、相当に急なところもあります。特別危険なところはありませんが、自信がなければ往路を戻るのがいいでしょう。

下山後は能勢温泉へ。一頃、週末の日帰り入浴は午後3時まで、という、いかにも登山客をターゲットにした嫌がらせ(?)をやっていましたが、それはもうやめたようです。小さいながら山を眺めつつ入れる露天風呂はとてもいい雰囲気です。

行き:能勢電鉄山下駅から阪急バス、行者口下車。
帰り:能勢の里から阪急バス、能勢電鉄山下駅へ。

参考ガイドブック:『関西日帰りの山ベスト100』実業之日本社、2015
『関西周辺週末の山登りベスト120』山と渓谷社、2012
『関西の山歩き100選』昭文社、2008
参考登山地図:『山と高原地図 北摂・京都西山』昭文社

2. 天ヶ岳(京都北山、788m)

ゴールデンウィーク前後の、シャクナゲの時季にぜひ。小出石バス停から少し車道を歩いて、シャクナゲ尾根に取り付きます。ここも最初は杉林ですが、やがてそこらじゅうピンクの花の中を歩くことになります。山頂は展望もなく地味なので、それより北寄りの、西側の展望の開けた鉄塔のあたりで昼食にするのがおすすめです。このあたり、少し道が入り組むので地図と方角を慎重に見定めて。山頂から鞍馬への尾根道はそこそこの長さがあります。あせらずにたどりましょう。

薬王坂に出て、鞍馬に降りたら、叡山電鉄鞍馬駅前から出ている送迎バスで鞍馬温泉へ。石段を登った上の露天風呂は、シンプルで広く、山を眺めがら入ることができて最高です。送迎バスの時間を確認して、本館で地ビールを飲みながら釜飯の夕食を摂るのもいいでしょう。

行き:京阪出町柳駅から京都バス、小出石下車。
帰り:叡山電鉄鞍馬駅から。

参考ガイドブック: 『関西の山歩き100選』昭文社、2008
参考登山地図:『山と高原地図 京都北山』昭文社

3. 金勝アルプス(湖南、605m)

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新緑の頃がおすすめ。上桐生バス停から歩き始め、落ヶ滝に立ち寄った後、この上なく明るい沢筋を詰めていきます。薄く水の流れている沢の中を歩くのが楽しいコースです。尾根に出たら、左に鶏冠山(けいかんざん、とさかやま)のピークハントをしてもいいですが、急坂だし、特に眺望もないので、省略してもいいでしょう。尾根に出たところから右に辿ると、やがて眺望が開け、天狗岩が見えてきます。天狗岩の直前で、いったん下り、左側から回り込むようにして、この特徴的な巨岩のピークに登ります。日差しや風があまりきつくない日和なら、ここで昼食にしてもいいでしょう。琵琶湖から鈴鹿の山々まで、ここももちろん360度、申し分のない眺望です。暑かったら、天狗岩の基部のベンチか、白石峰で大休止。白石峰からこの山脈最高峰の竜王山を往復するのが定番ですが、竜王山もあまり展望はないので、これも場合によっては省略してもいいでしょう。季節が合えばイワカガミの花が見られます。

下山は、白石峰から狛坂摩崖仏を経て上桐生に戻るコースが一般的です。ちょっとスリルがあったほうがよければ、白石峰から少し戻った耳岩から西に延びる尾根道を下りましょう。スリリングな鎖場を経て、尾根をたどり、長い道だなあと思っていると、突然すぽんと車道に出て、上桐生に戻ることができます。

行き:JR草津駅から帝産湖南交通バス、上桐生下車。
帰り:往路を戻る。

参考ガイドブック:『関西日帰りの山ベスト100』実業之日本社、2015
『関西周辺週末の山登りベスト120』山と渓谷社、2012
『山歩き安全マップ西日本1 関西の名山ベスト大峰・大台ヶ原・鈴鹿・六甲・比良・熊野古道 』JTBパブリッシング、2015

4. 樫ヶ峰(六甲東部、489m)

ツツジの季節がいいかもしれません。六甲山の東部、大平山近くから延びる尾根が小笠峠で区切られたプチ山脈のプチ縦走が楽しめるのがこの山です。縦走とは言え、アップダウンはそれほど大きくはありません。ぼくの知る限りで、登降路は12ありますが、初心者向きにはっきりしているのは、逆瀬川からのバスをゆずり葉台か宝塚西高校前で降りて、岩倉橋から入るコース。この山の名称は混乱していますが、最初の457mピークが樫ヶ峰、山全体を社家郷山と呼ぶのが妥当なところのようです。

樫ヶ峰山頂自体は林の中で展望はありませんが、その手前の登り道や、樫ヶ峰の先の馬の背など、要所要所で眺望が開けます。東には甲山と大阪平野。南にはごろごろ岳の山塊、北には六甲縦走路。尾根道をたどって、初めてであれば、西三ツ辻から南東に、社家郷山キャンプ場を目指して下るのがいいでしょう。下りの中ほどに立派な東屋があり、大休止におすすめです。

下りきってキャンプ場を抜け、車道に出たら左に行くと、「かぶとやま荘」バス停があります。バス停前の六甲保養荘では、温泉ではありませんが、入浴ができます。ここを通るバスは最近本数が少し増えました。

行き:阪急今津線逆瀬川駅から阪急バス、宝塚西高校前またはゆずり葉台下車。
帰り:かぶとやま荘から阪急バスで夙川へ。

参考ガイドブック: 『関西周辺週末の山登りベスト120』山と渓谷社、2012
参考登山地図:『山と高原地図 六甲・摩耶』昭文社

5. 高御位山(播磨、300m)

300mと低い山ながら、丈の高い木がほとんどないため、コースのほとんど全体から播州の山々や瀬戸内海の眺望が抜群で、高山のような雰囲気もちょっぴり味わえ、百間岩上からの鷹ノ巣山の眺めは、八ヶ岳の赤岳を思わせたりもします。日陰木陰はないわけですから、真夏や、風の強い日は避けたほうが無難です。ここもいくつもの登降路がありますが、おすすめは曽根駅から奥崎豆山を通って歩いていくコース。これも一種のプチ縦走です。大きな岩盤の上り下りが多く(百間岩の登りは圧巻です)、まさにそれが魅力の一つでもあるのですが、度重なる登り下りのため、そこそこの体力は要求されます。山頂からは南にいくつもの下山路があります。

行き:JR曽根駅下車。
帰り:JR宝殿駅など。

過去記事

参考ガイドブック:『関西日帰りの山ベスト100』実業之日本社、2015

6. 大岩岳(北摂、384m)

北摂の山々というのは、大きな山塊をなしているというよりも、平地の中に、てんでんばらばらに、島のようにボコボコ突き立っているという印象があります。そういう山々を眺めるのに絶好の展望台がこの大岩岳(大岩ヶ岳という表記もあります)。特に千刈貯水池の湖面を見下ろし、北方向の眺望は、こんな低い山にしては予想以上に魅力的です。

この山もいくつもの登降路がありますが、福知山線道場駅から歩き出し、千苅ダムの横から湖を高巻くように北に向かい、西側の尾根から山頂に至り、丸山湿原と281mピークのある尾根を周回して、道場に戻ってくるのが一般的でしょう。

行き:JR道場駅下車。
帰り:往路を戻る。

参考ガイドブック:『関西日帰りの山ベスト100』実業之日本社、2015
『関西周辺週末の山登りベスト120』山と渓谷社、2012
参考登山地図:『山と高原地図 北摂・京都西山』昭文社

7. 堂山(湖南、384m)

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これも展望の良い岩山で、標高からは想像がつかないほど楽しめます。この山の登降路もいくつもありますが、オススメは、新免バス停から歩き出し、鎧ダムに降りるコース。最後は林道歩きになりますが、緑に覆われた道で、割合快適。「アルプス登山口」バス停から石山駅に出ます。マツタケの季節は入山規制あり。

行き:JR石山駅から帝産バスで新免下車。
帰り:アルプス登山口から帝産バスでJR石山駅へ。

過去記事

参考ガイドブック: 『関西気軽にハイキング』実業之日本社、2015

8. 荒地山・ロックガーデン(六甲、549m)

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六甲山系から一つ(あ、樫ヶ峰ももう出してたっけ)。山頂部に人工物が多い山はこのリストから外したので、六甲最高峰などは入らないのですが、ここならそういう問題はありません。

阪急芦屋川駅から歩き出し、高座滝への道を途中で右折、城山への登り口から入ります。4月中旬くらいのコバノミツバツツジの季節なら、ピンクの花のトンネルの中を行くことになります。尾根筋に上がって、のんびりたどっていくと、やがて名物の岩梯子に行き当たり、ちょっとした岩登りが楽しめます。その上の新七衛門嵓は、リュックを先に送り出して通過しましょう。その先、適当な大岩のテラスでの大休止がおすすめです。さらに一登りしたところに荒地山山頂がありますが、そちらには展望はありません。

山頂から西へ道を辿ると(このあたり脇道が多いので注意)、風吹岩から一軒茶屋に至るいわゆる「六甲銀座」コースに出ます。そこから銀座通りを左へ風吹岩を目指します。途中、右に、横池への道が分かれるので、立ち寄るのもいいでしょう。夏なら睡蓮が咲いています。

風吹岩は送電線鉄塔が目障りですが、荒地山同様、南の眺めは優れています。ちなみに荒地山にも風吹岩にも、おそらくは捨てられた猫が棲みついています。風吹岩ではイノシシも見かけます。エサは与えず、そっとしておきましょう。

風吹岩からはロックガーデン中央稜を下ります。本当はその西側の芦屋川地獄谷が楽しいのですが、経験者とともに、登りでたどった方が安全です。高座滝とその先の茶店を経て、芦屋川駅に戻ります。芦屋川駅の手前右に線路沿いに歩いてすぐのトルコ料理店サクルエブでケバブに舌鼓を打つのもいいでしょう(テイクアウト可)。

行き:阪急芦屋川駅下車。
帰り:往路を戻る。

参考ガイドブック:『山歩き安全マップ西日本2 ステップアップ六甲・金剛・比良・京都北山』JTBパブリッシング、2015
参考登山地図:『山と高原地図 六甲・摩耶』昭文社